(18日、第107回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 牧野1―4市岡) 牧野の女子部員、福島愛理さん(3年)が、試合前の…
(18日、第107回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 牧野1―4市岡)
牧野の女子部員、福島愛理さん(3年)が、試合前のノッカーを務めた。「サード!」。大声を出しながらも、部員たちの緊張をほぐすために笑顔は絶やさない。
中学生のころはソフトテニスをしており、運動神経には自信があった。野球部では最初、マネジャーだったが、何か自分にできることがあればと、2年生の夏からバットを振り始めた。選手と一緒に素振りし、打撃練習にも参加した。家でも筋トレに励んだ。
その努力を見ていた新山佳太監督(34)は「今では外野の定位置までフライが打てる名ノッカーになりました」と話す。
試合はスタンドで応援した。九回裏、先頭打者が出塁したが、次打者のセンターライナーで走者が戻れず、ダブルプレーに。そのとき、「いける!まだ牧野は負けてへん!」と大声を発した。
最後の打者がアウトになると、帽子に顔をうずめて泣いた。「必勝」「ノックたのみます」。帽子のつばには、仲間たちのメッセージがびっしりと書き込まれていた。(滝坪潤一)