(18日、第107回全国高校野球選手権山形大会3回戦 山形中央4―3致道館) サインに首を振ることはない。致道館のエー…
(18日、第107回全国高校野球選手権山形大会3回戦 山形中央4―3致道館)
サインに首を振ることはない。致道館のエース、佐藤陽太(ひなた)投手(3年)は、捕手のリードの通りに投げる。
「みんなを信頼しているから。打たれても、必ず守ってくれる」
言葉通りの投球を見せたのは、この日の山形中央戦。昨秋の東北4強を相手に、先発して五回までを最少失点に抑える好投だった。
球速は120㌔台の後半。それでも、打者は捉えきれない。
「腕の力を抜いて、手首のスナップをきかせる。そうすると、打者の手元で球がグンと伸びるんです」
遅いようで、速く見える。独特の直球を低めに集めた。奪三振はゼロ。身上とする、打たせて取る投球で要所を切り抜けた。
毎回、走者を背負った。でも「バックが頼もしいから」と、重圧は感じない。仲間は併殺を決め、打球に飛び込んで捕球し、エースをもり立てた。
致道館は昨年、鶴岡南と鶴岡北が統合して開校した有数の進学校。佐藤投手も、勉強に集中するため、退部を考えたこともある。でも、最後の試合を終え、違う思いがわき出てきた。
「野球をやめないでよかった。楽しかった。守ってくれたみんなに感謝しています」(渡部耕平)