(18日、第107回全国高校野球選手権東東京大会4回戦、帝京3―1成立学園) 帝京に春にコールド負けした成立学園が、同じ…

(18日、第107回全国高校野球選手権東東京大会4回戦、帝京3―1成立学園)

 帝京に春にコールド負けした成立学園が、同じカードで、延長タイブレークに追い込んだ。

 昨夏準優勝で第2シードの帝京と、成立学園の試合は、1―1のまま延長十回に突入した。表の攻撃の帝京は、バントで確実に走者を進めると、犠飛と適時打で2点を奪った。

 その裏、成立学園は先頭打者がバントに失敗。エースの岩瀬陸真(りくま)(3年)が「絶対に返してやる」と打席に立ったが、併殺に打ち取られ、最後の打者になった。頭から滑り込んだ一塁上で、しばらく動けなかった。

 雪辱の相手だった。春の都大会3回戦、帝京に1―13で5回コールド負けした。その悔しさを胸に、選手たちは「絶対に勝ちにいく」と、この試合に臨んだ。

 先発したのは1年生投手の横山和也。肩の調子がよく、どんな相手でも動じない。安藤信二監督が「向こう(帝京)もデータがない。3点以内に抑えれば勝負になる」と放った「奇策」だ。その起用が当たる。

 一回、先頭打者にいきなり出塁を許すが、横山は「気持ちで負けないように投げた」。帝京の4番、梅景大地(3年)を空振り三振に。先輩たちに「自信を持って腕を振っていけ」と励まされ、コースを意識して粘投した。

 五回、1点を奪われたものの、直後の1死満塁のピンチを抑え、最少失点で六回を投げきった。安藤監督は「よく1点で抑えた。上出来」とほめた。

 八回2死満塁のピンチで、継投でマウンドに上がったのは岩瀬。難しい継投だったが、気持ちで負けず内野ゴロに抑えた。

 投手陣の力投に打撃陣も応える。八回裏、熊田剣心(3年)がこの試合、チームで初の長打となる二塁打を放つと、代打の鮎沢遥海(はるうみ)(同)も二塁打で一気に追い上げムードに。その勢いのまま、内野ゴロの間に熊田が本塁にかえり、試合を振り出しに戻した。

 延長十回、力尽きたが安藤監督は試合後のロッカールームで、悔し涙を流す選手たちをたたえた。「しっかりチャンスを作り、いい展開に持ち込み、みんな本当によく成長してくれた。ナイスゲーム!」

 今年就任した安藤監督の下、チームは「心を一つに!」というスローガンを掲げた。「1―13(5回コールド)」から、「1―3(延長十回タイブレーク)」に。選手たちは春から大きく成長し、スローガン通りの試合を最後に見せた。=神宮(石平道典)