レッドブルでの立場が揺らいでいる角田(C)Getty Images F1の名門レッドブルでの“生き残り”をかけた戦いを続…

レッドブルでの立場が揺らいでいる角田(C)Getty Images

 F1の名門レッドブルでの“生き残り”をかけた戦いを続ける角田裕毅。チームは、現地時間7月9日に2005年から陣頭指揮を執ってきたクリスチャン・ホーナー代表氏を電撃的に解雇し、姉妹チームのレーシングブルズからローラン・メキース代表を招聘。新たな方針に舵を切ったが、不振によって声価を落としている日本人の立場は、かくも厳しい。

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 今季のF1第3戦となる日本GPからリアム・ローソンとのシート交代でレッドブル入りを果たした角田だが、操作困難とされる“じゃじゃ馬マシン”『RB21』への適応に苦心。また、絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンの調整を優先する体制も影響し、満足のいくパフォーマンスを披露できずにいる。実際、昇格後の角田は10戦中で入賞はわずか3回……。獲得ポイントも「7」という低調な結果に終始している。

 そうした中で、角田陣営は新シーズンに向けた動きを水面下で加速させている。レッドブルが新シーズンから俊英アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)を昇格させる見込みであることから、角田の代理人たちは2026年からF1に参戦するキャデラックと交渉を重ねているという。

 英モータースポーツ専門メディア『F1 Oversteer』は、「春に巻き起こったツノダの昇格をめぐる熱狂は、あっという間に冷めてしまった」と角田の現状をシビアに指摘。その上で「ツノダの代理人はモナコGPからアメリカの新チームと交渉を続けている」とリポートし、来季以降の去就を予測した。

「キャデラックはネットワークの網を広く敷き、さまざまなドライバーと交渉中だ。ツノダがより良い条件を引き出すには、好調ぶりを候補者たちに改めて印象づける必要があるだろう」

 キャデラックでの新たな挑戦が報じられる一方で、レッドブル退団が「既定路線」という見方もまた強まっている。英紙『Daily Star』は「ツノダの2025年シーズンは、良く言っても『苦戦』。悪く言えば、『全くの惨憺たる結果』となった」と酷評。「レッドブルは次なる天才ドライバーの発掘に予想される。そうなると、ツノダの契約はシーズン終了時に解除されることが決定的と言える」と断言した。

 逆風が強まる中で、角田は自身の評価を覆す走りを見せられるか。まずは、現地時間7月25日から始まるベルギーGPでのポイント獲得が求められる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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