(17日、第107回全国高校野球選手権山形大会3回戦 日大山形4―0創学館) タイパ、コスパ。創学館の大宮和翔(かずと…

 (17日、第107回全国高校野球選手権山形大会3回戦 日大山形4―0創学館)

 タイパ、コスパ。創学館の大宮和翔(かずと)選手(3年)の辞書に、そんな言葉はない。

 練習にはだれよりも早く来て、グラウンドの整備や用具の運び出しをする。帰るのは一番最後。暗くなるまで残って打撃練習をくり返す。

 「練習前に3年生が準備を率先すると、後輩がついてきてくれる。自主練習に時間をかけるのは、みんなに追いつくためです」

 中学では軟式野球の選手で、高校では硬式のボールに慣れるまで時間がかかった。特に打撃では、球威に押されることが多かった。

 体格は171センチ、69キロ。筋力ではほかの選手にかなわないので、スイングの柔らかさを身につけることにした。居残り練習で、ボールの軌道に合わせる素直なスイングを磨いた。

 実を結んだのは、日大山形戦。三回、変化球をとらえて、左前にチーム初安打を放った。一塁上で、雄たけびを上げて喜んだ。

 試合には敗れても、表情には充実感があふれていた。だれよりも長い時間、グラウンドで頑張ってきたことを誇りに思えたからだ。

 「タイパやコスパで『質』を求めるのもいいですが、僕にとっては、毎日のひたむきな練習の『量』が大事でした。最後の試合で、3年間の集大成を出すことができました」(渡部耕平)