(17日、第107回全国高校野球選手権山梨大会2回戦 甲府西8―7吉田) 取って、取られて、そして取り返した。 八回裏に…

(17日、第107回全国高校野球選手権山梨大会2回戦 甲府西8―7吉田)

 取って、取られて、そして取り返した。

 八回裏に3点を加えて逆転に成功した吉田。だが、九回表に3点を奪われ、再び2点のリードを許してしまった。

 それでも、あきらめなかった。九回裏1死二、三塁の好機で6番・宮下悠平選手(2年)が打席に入った。「この試合は自分に託された。打つしかない」。2球目の外角直球をとらえた打球は、左翼手の頭を越えた。2人が生還し、土壇場で追いついた。

 ベンチに戻ると、先発し5回を投げたエース武藤悠生投手(3年)が「今日はおまえがヒーローだな」と褒めてくれた。

 武藤投手は富士吉田市立明見中の先輩。腰にヘルニアを患い、昨年秋まで1年間練習ができず苦しんだ。その後、たゆまぬトレーニングで復帰し、バッテリーを組んだ。

 見応え十分のシーソーゲームは、延長十回タイブレークで甲府西が制した。「頼れる先輩と、もっと一緒に野球をしたかった」と悔しがった。

 来年の夏は2番手で登板した永田侑己投手(2年)とこの舞台に戻って来たい。「最強のバッテリーになります」。打撃もさらに磨き、次こそシード校の壁を突破すると誓った。(池田拓哉)