(17日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 千葉明徳1―0市松戸) 八回裏1死、二遊間に強いゴロが飛んだ。市松…

(17日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 千葉明徳1―0市松戸)

 八回裏1死、二遊間に強いゴロが飛んだ。市松戸の遊撃手大滝健太(3年)が横っ跳びでボールをグラブに収め、すかさず一塁へ送球しアウトにした。

 昨秋から不動の正遊撃手。背番号6に誇りを持ってきたが、春の大会前に右ひじを痛め、試合に出られなくなった。1年秋からメンバー入りしており、グラウンド外から試合を見るのは久しぶりだった。

 春も夏も当然のようにレギュラーで出場するつもりだった。だが裏方に回り、試合に出られなくても全力で声を出す仲間の姿を間近で見て「背番号がもらえるのは当たり前ではない」と気づかされた。

 夏までに再び背番号6を勝ち取ることを目標に練習に打ち込んだ。だが、けがの完治に時間がかかり今大会では16に。悔しさはあったが、一番強く感じたのは、試合に出られることへの感謝だった。

 大会3試合目で16を背負ってなじみのポジションに立った。継続試合のため2日間にわたった接戦の中、毎回のように三遊間や二遊間に飛んだ球に食らいついた。

 九回表1死一、二塁で回ってきた最後の打席。手応えは十分だったが、打球はまっすぐ投手のグラブに吸い込まれて併殺になり、ゲームセット。ユニホームを泥だらけにした夏が終わった。=船橋(若井琢水)