(17日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 法政二2―0綾瀬) 2点リードされた八回表、2死満塁。綾瀬の捕…

 (17日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会3回戦 法政二2―0綾瀬)

 2点リードされた八回表、2死満塁。綾瀬の捕手・辺見晴汰(3年)は投手にかけよった。肩に手を回し、「お前が一番いいピッチャーだ」と声をかけ、頭をポンとたたいた。

 要求した球は全て直球。一邪飛に打ち取り、望みをつないだ。「まだまだいけるぞ」

 今年1月に腰を痛め、比較的負担の少ない外野に転向した。毎晩腰をストレッチし、最後の夏で再びマスクをかぶることができた。

 この日、劣勢でも常に白い歯を見せ、笑顔で「ナイスプレー」「オッケーオッケー」と声をかけた。3人の投手をリードし、古豪の法政二を2失点に抑えた。

 「一緒にがんばってきた3人の成長を一番感じられた。キャッチャーとして試合に出られて感謝しかない」。試合後、涙をぬぐいながら語った。(中嶋周平)