<全国高校野球選手権大会埼玉大会:大宮東5-2川口市立>◇16◇3回戦◇レジスタ大宮球場 最激戦区の激突が始まった。3回…
<全国高校野球選手権大会埼玉大会:大宮東5-2川口市立>◇16◇3回戦◇レジスタ大宮球場
最激戦区の激突が始まった。3回戦で大宮東vs川口市立という南部地区の強豪公立校同士の一戦。
大宮東は飯野幸一朗前監督が浦和北へ赴任し、今春からは監督に鈴木貫太郎氏、川口前監督の鈴木将史氏が部長に就任し新体制となった。
一方の川口市立も昨秋に大谷豊新監督が就任し、今春からは前田敦氏が部長に就任する新体制で初めての夏を迎える。
昨秋も両校県1回戦で相見え、その時は2対0で。川口市立・岩下直樹(3年)が大宮東打線を完封。大宮東はリベンジなるか。
先発は、大宮東は前回同様エース左腕・山室颯太(3年)、一方の川口市立は岩下ではなくエース左腕・道山奏仁(3年)が登板し試合が始まる。
先制したのは大宮東。3回表、この回先頭・小池龍之介(3年)の左前打を足がかりとし、四死球で無死満塁とすると、3番・関野大助(3年)の犠飛で1点を先制も、後続が倒れ1点でこの回の攻撃を終える。
すると、山室が二死二塁から川口市立・澤田渉(3年)、菊池悠星(3年)に連続長短打を浴びすぐに逆転を許す。
1点を追う大宮東の反撃は5回表、先頭の染谷エル(3年)が右前打を放つと、オーバーランを大きく取る染谷に対し、野手が一塁へ返球するが、これが悪送球となり無死二塁とする。続く大原太一(3年)の犠打が内野安打となり無死一、三塁とチャンスが広がる。さらにサードゴロが相手の野選となり無死満塁とすると、嶋田蓮(3年)、半田龍之介(3年)が連続押し出しを選び逆転に成功する。
大宮東はさらに代わった2番手・岩下に対し、無死満塁から内野ゴロの間に1点を追加するも、後続が倒れ4対2でこの回の攻撃を終える。
まだ2点差。2度の無死満塁で1点ずつしか奪えなかったこともあり、やや嫌な流れとなった大宮東だが、この日リベンジに燃える山室が4回以降立ち直り、強打の川口市立打線を2安打に抑える。
すると大宮東は8回表、一死から小池が中前打で出塁すると、相手の牽制悪送球で一塁走者・小池は一気に三塁へと進む。ここで1番・染谷がきっちりとスクイズを決め貴重な追加点を奪い3点差に。結局、大宮東が川口市立を5対2で下し4回戦進出を決めた。
大宮東は昨秋のリベンジに成功。鈴木新監督も
「2度の中断で気持ちが切れずに中断中にもエースの山室を中心にバッテリーで話し合っていたので成長を感じられた。山室は春まで少しだらしないところがあったので、エースとしてひたすらトイレを磨かせてきた。これまで人の嫌がることを率先してできないタイプだったので生活面から野球に繋がることを意識させた。その結果、今日は相手打線を6安打に抑えて人間的な成長を感じた。変化球が低めに決まっていたのと相手のバッティングカウントでボールを低めに集められ、相手も刺されている印象を受けた」
と、エースの成長に目を細める。山室本人も
「指導者が言う前に率先して動くことを意識している。冨士大和先輩からは気持ちの持ち方であったり、技術的なことより精神面を教わった。3回は制球ミスとかがあってそこはもっと課題だと思いますが、それ以外は打たせて取る自分のピッチングができた。走者が出ても冷静に対処することができたので。3回が終わってより低めの意識も持つこと。皆の声掛けもあり自分の中で切り替えることができた」
と、エースとしての自覚が芽生えている。攻撃面でも
「飯野先生のやってきたことを継承しつつ考えることや主体性、チャレンジ、攻撃的に行くことをアップデートした。攻撃面向上のためラプソードを導入したのと日体大の黒木助監督を招いて、ドリルを11月から4ヶ月間やってリストを鍛えてきた」(鈴木監督)
とのこと。3月の関西遠征で近大付や大阪桐蔭との練習試合で手応えを掴むと、今大会も2試合連続二桁安打を放つなど効果覿面。あとは
「3回、5回と2度の無死満塁で1点ずつしか取れなかったところ。犠飛のあと打たされてしまったのでそこは修正したい。このブロックは激戦区だがうちの子は気を抜くとダメなのでかえって良いのかも」
と、反省をしつつも、ポジティブに捉えている。
次の相手は西武台と東野の勝者、同ブロックには春日部共栄や市川越なども残っているため緊張感のある試合が続くが昨秋からアップデートされた大宮東がどこまで最激戦区をどこまで勝ち上がることができるのか。楽しみな存在である。