(17日、第107回全国高校野球選手権福岡大会4回戦 八女学院11―0直方=五回コールド) 「まだ終わってない」。0―…

 (17日、第107回全国高校野球選手権福岡大会4回戦 八女学院11―0直方=五回コールド)

 「まだ終わってない」。0―11で迎えた三回裏。直方の1番打者、太田翔斗(かいと)選手(3年)はそんな思いを強く持って打席に立った。

 直前で三振に倒れた打者から「まっすぐは来ないと思う」と助言され、心構えはできていた。初球の内角の変化球を迷いなく振って、内野安打。一塁上でベンチに笑顔を向けると、仲間たちの盛り上がる様子が見えた。

 直方は、選手や監督も口をそろえる「どんな時もみんなで声をかけあう元気なチーム」。この日は序盤に大量点を奪われる苦しい展開だったが、選手たちは最後まで「まだいける」と声を上げ続けた。

 チームは13年ぶりの4回戦進出。太田選手も2回戦の門司大翔館戦で九回に決勝打を放つなど活躍した大会だった。「3年間全力をつくせた。みんなと野球ができて楽しかった」。涙ながらに話す表情は晴れやかだった。(根元紀理子)