＜全国高等学校野球選手権京都大会：龍谷大平安4－1日星＞◇9日◇3回戦◇太陽が丘球場 プロ注目の遊撃手・中西 創大内野手…
＜全国高等学校野球選手権京都大会：龍谷大平安4－1日星＞◇9日◇3回戦◇太陽が丘球場
プロ注目の遊撃手・中西 創大内野手（3年）を擁する日星は名門・龍谷大平安に敗れて3回戦敗退。4打数2安打の結果を残した中西はプロ志望届を提出する意向を表明した。
中西は1回表、二死一塁で最初の打席を迎える。3ボール1ストライクから外角の変化球をライト前に運び、一、三塁にチャンスを広げた。
「繋ぐ気持ちでライト前に良い形で打てたのは良かったと思います」と話した中西。続く5番・入江 寧人内野手（3年）の右前適時打で日星が先制点を奪った。
その後は三遊間の深いゴロをアウトにするなど、守備でも能力の高さをアピール。8回裏にはゴロを弾いて失策を一つ記録したが、非凡なところを見せつけた。
チームは逆転を許し、3点を追う9回二死で中西に4度目の打席が回る。「絶対に負けたくないという気持ちは強くて、相手が良いピッチャーなのわかっていたんですけど、強い気持ちで打席に立ちました」と5回から登板してここまでパーフェクトに抑えられていた龍谷大平安のエース・臼井 夏稀投手（3年）から詰まりながらも二塁手の頭上を越える安打を放ち、一矢報いた。
しかし、次打者が倒れてゲームセット。中西の高校野球生活が幕を閉じた。
中西は京都府舞鶴市出身。一度は府外の強豪校に進学したが、「自分の意識の低さもあって、野球が嫌になった時期もありました」と1年生の10月に地元の日星に転校した。
山中 始之監督をはじめ、仲間から受け入れられたこともあり、中西は野球の楽しさを再認識。地道に力を蓄えると、今春の公式戦デビュー後からプロのスカウトからも注目を集めるようになった。
高校通算本塁打は15本で、そのうち10本は今春以降に放ったもの。守備ではスローイングの良さと球際の強さが光り、攻守においてプロを目指せる素材だと感じさせられる。
進路はこれから改めて山中監督と相談して決定するが、現時点では育成指名もＯＫでプロ志望届を提出する方針。「自分のウリは守備なので、プロの世界に行けたとしたら、ファンを魅了するような選手になりたいです」と将来を思い描く。
「転入してきた僕を嫌味一つ言わず、仲良く接してくれました。自分がここまで来られたのも山中先生やスタッフ含めて、仲間全員のおかげだと思っているので、日星高校で野球ができて、本当に良かったです」と仲間へ感謝の想いを語った中西。挫折を乗り越え、最初で最後の夏を悔いなく戦い終えた。
龍谷大平安の主将でプロ注目の投手である鏡 悠斗投手（3年）は1番右翼で出場。4回裏に犠飛を放つなど、3打数1安打1打点とバットでチームに貢献し、投手としての出番はなかった。
今春は肘の怪我明けだったこともあり、登板はなかったが、この夏は初戦でマウンドに上がっており、コンディションに不安はない。現時点ではプロ志望届を提出する意向を示しており、「自信がある真っすぐをアピールしたい」と語っている。
現在の最速は146キロ。次戦以降でマウンドに上がる可能性も十分にあり、どんな投球を見せるかに注目だ。
