◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(16日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381 yd(パー71…

河本力は「全英」初出場。表情は明るい

◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(16日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381 yd(パー71)

初めて回る難コースを前に、重ねるのは1カ月前の苦難の体験だ。「全英オープン」初挑戦の河本力にとって、今季メジャー出場は6月「全米オープン」に続き2試合目。「まあオークモントよりは、簡単には感じるかな」。頭を抱えるほどの光景が鮮明に残る。

メジャーでの悔しさを糧に

2度目の出場だった全米は初日「78」と大きく出遅れた。最高峰の選手が集う舞台で、最終的にアンダーパーで回ったのは優勝したJ.J.スポーン(通算1アンダー)のみという難セッティング。2日目も「74」とスコアを崩し、通算12オーバーで昨年に続き週末に残れなかった。「(全米が)自信になったとかは全然ない。でも、経験できたのは素晴らしいこと」。世界の壁に跳ね返されても、ただで起き上がるつもりはない。

学びはプレー面にとどまらない。全米では開幕前に体調を崩し、十分に練習ラウンドを行えなかった。「身体を整えることの大切さ。プロとして、できなきゃいけないことを改めて考えさせられた。いい勉強になった」と話す。今週は万全の状態で会場に乗り込んだ。

日本が誇る飛ばし屋のお出ましだい!

月曜日にコース入りし、2日間で1.5ラウンドのコースチェック。アイルランド島の北東部に位置するロイヤルポートラッシュでは、リンクスらしい海風が攻略のポイントになりそう。「風の吹き方で難度が全然変わる。同じホールでも、フォローかアゲンストかでクラブが6番手くらい違う。ウェッジで打てたところで5Iを使ったり」と気まぐれな自然に目を見張る。

一方、日本ツアーで3年連続1位の飛距離はメジャーの舞台でも武器になる。今季の平均飛距離は318.4ydで、日米の環境の違いはあれど、PGAツアーに当てはめると全体6位相当になる。「風の対策はしながら、飛距離を生かせるホールはいっぱいある。2オンできるパー5はドライバーでチャンスを作っていきたい」と意気込んだ。

日進月歩の25歳

初出場の全英で、目標は「毎日アンダーパーで回ること」に設定する。「とにかく自分のできることを全力で。できないことはやらない。自分を客観視しながらプレーできれば」。成功も失敗も抱えながら、25歳が大舞台を味わい尽くす。(北アイルランド・ポートラッシュ/合田拓斗)