(16日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 我孫子東5―2明聖) 中学時代の苦しみを高校野球にぶつけた。 七回…
(16日、第107回全国高校野球選手権千葉大会3回戦 我孫子東5―2明聖)
中学時代の苦しみを高校野球にぶつけた。
七回表1死一、三塁、明聖の長谷川幸星(3年)が打った球は投ゴロに。だが、相手が併殺を試みる間に三塁走者が生還。自らも一塁へ駆け抜けた。
中1の終わりごろ、立ちくらみや失神などの不調を引き起こす「起立性調節障害」を患った。いくら揺さぶられても朝起きられず、目が覚めても午後まで動けない。当然学校には行けなかった。
それでも夕方、調子が良くなると軟式野球部の練習に参加していた。成長とともに症状は落ち着き、高校では中学でできなかった分、野球優先の生活を送ってきた。
その成果は千葉大会で爆発。初戦では満塁ランニング本塁打を放ち、4打数3安打4打点に1盗塁と大活躍した。ヒーローになれた瞬間だった。
2戦目のこの日も同じように「ヒーローになってやろう」と思って臨んだ。だが点には絡んだものの、チームは敗退した。
「もう少しできた部分もあったんじゃないかと思う。でも最後の試合、みんな元気に声出して全力でできた」。後悔と、達成感が入り交じった。=柏の葉(芹沢みなほ)