<全国高等学校野球選手権愛媛大会:西条7ー0川之石(7回コールド)◇16日2回戦◇坊っちゃんスタジアム 第107回全国高…
<全国高等学校野球選手権愛媛大会:西条7ー0川之石(7回コールド)◇16日2回戦◇坊っちゃんスタジアム
第107回全国高等学校野球選手権愛媛大会第5日は7月16日、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムなど2会場で2回戦6試合が行われた。坊っちゃんスタジアムでの第3試合では第3シードから2009年以来、16年ぶり7度目の夏甲子園出場を狙う西条が川之石との初戦を迎えた。
今秋のドラフト候補に名が挙がる最速143キロ左腕の宇佐美 球児投手(3年)は、7対0で迎えた7回表に2番手でマウンドに上がった。NPBスカウト8球団9人が見つめる中、打者6人に23球を投げ2安打1四球で二死満塁のピンチを背負ったものの無失点。最速は140キロだった。
「勝つと3回戦まで大会日程が空くので、ブルペンで投げ込んでから登板することをテーマにしていた」(菅 哲也監督)中での今大会初登板となった宇佐美。本人いわく「初回からブルペンで投げていたので、スピードに乗れず上半身と下半身が分離している感覚があった」というものの、春先から強化テーマにしていたクロスファイアのストレートを軸に、要所では得意のスライダーを活用した。一死一、二塁から右打者を迎えた場面ではインローへの136キロで見逃し三振に打ち取り、「ボールの質はよかった」成果を示す23球だった。
この宇佐美の投球に対しNPB球団スカウトは「試運転としてはまずます。空振りが取れるスライダーは持っているので、大会中の球速アップに期待したい」と評価。宇佐美自身も「球速の面では物足りなさを感じている」としっかり課題を把握した上で「甲子園に出場し勝って校歌を歌うことと、高卒支配下指名の2つの目標を達成したい」と改めてこの夏のミッションを述べた。
なお、西条は宇佐美の他にも公式戦登板の先発右腕・渡辺 翔太投手(2年)が自己最速の140キロをマークし6回9奪三振無失点。同じく公式戦初出場で4番に座った伊藤 祥汰内野手(2年)もマルチ安打をマークするなど新戦力も躍動。指揮官も「大会を通じていろいろな選手が出場できたことがよかった」と選手層の底上げも果たしている。宇佐美が掲げる2つの目標、さらには元阪神の秋山 拓巳さんが高校3年生だった2009年以来の栄冠を達成するべく、残り4勝をアグレッシブに奪いにいく。