日本S進出王手の大一番が復帰戦、2安打1打点の柳田「面白かったですね」 電撃復帰を果たした背番号9が、勝利を導く男になっ…

日本S進出王手の大一番が復帰戦、2安打1打点の柳田「面白かったですね」

 電撃復帰を果たした背番号9が、勝利を導く男になった。22日、ヤフオクドームで行われた楽天とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第5戦。右脇腹肉離れで戦線を離脱していたソフトバンクの柳田悠岐外野手が電撃復帰を果たして「1番・中堅」でいきなりのスタメン出場。これが日本シリーズ進出を決める勝利への流れを生み出した。

 先発の武田がピンチを招きながらも無失点に封じて迎えた初回の攻撃。スタンドをびっしりと埋めたソフトバンクファンの大歓声を背に、柳田が最初の打席に向かった。ボール、ファールとしての3球目。楽天・美馬のインコースのスライダーに詰まった打球は、二遊間に飛んだ。遊撃・茂木が回り込んで捕球したものの、柳田の足が勝った。悠々の内野安打となって出塁した。

 2番今宮の犠打で二塁へ進むと、デスパイネへの初球のカーブがショートバウンドとなって捕手・嶋のミットからこぼれた瞬間にスタート。三塁を陥れた。デスパイネが四球を選ぶと、4戦連発中と絶好調の内川が中犠飛を放って、柳田が生還。先制のホームを踏んだ。4回2死二塁では、2番手・藤平から右前適時打を放った。

 9月20日の日本ハム戦(札幌D)でスイングした際に負傷し「右腹斜筋と肋間筋損傷」「右第10肋軟骨損傷」と診断され、全治3週間の診断が下っていた。このクライマックスシリーズにギリギリ間に合うかどうかのところだったが、回復が思わしくなく、初戦での復帰を断念。20日にようやくフリー打撃を再開したばかり。たった2日間フリー打撃を行なっただけでの電撃復帰。約1か月実戦から離れていたにも関わらず、この活躍は驚異としか言いようがない。

突然の1軍合流&電撃スタメン、「絶対に無理やろ」も勝利導く活躍

 試合後に「面白かったですね。久々に野球が出来たので楽しかったです」と笑顔が広がった柳田。ブランクによる影響はなかったのか――。この疑問に「思ったよりも普通だな、と。感覚のズレは自分の想像よりはズレていなかったので、どんどん振っていこうと思っていました」と、あっけらかんと振り返った。

 突然の1軍合流が決まったのは、前日21日の午後。「いろんな人から電話がありました。『出られるか?』と。『たぶん出られます』と。監督とは昼に話して『いけるか?』みたいな」。最終的には、この日の打撃練習を首脳陣が確認し、ゴーサイン。いきなりのスタメン出場が決まった。

「自分的には絶対に無理やろと思いましたが、まあいっかと、打てんでもともとという気持ちでいったのが、逆に良かったのかなと思います。不安はないですね。誰かが打つでしょ、と思っていました」と語った柳田。「ぼちぼち振れましたね。せっかく使ってもらいましたし、他にも城所さんとか活躍されている中で使ってもらったので何とかしたいという気持ちはありました」とチームメートへの思いも胸にグラウンドに立った。

 いきなりのスタメン復帰。しかも、日本シリーズ進出に王手をかけての一戦にプレッシャーがありそうなものだが、「プレッシャーにはならなかったです。(オールスターの)ホームラン競争のほうが何倍も緊張しました」と話して報道陣の爆笑を誘った柳田の表情はとびきりの笑顔だった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)