(16日、第107回全国高校野球選手権栃木大会2回戦 作新学院8―1小山=七回コールド) 大会直前、前監督が指導で危険な…
(16日、第107回全国高校野球選手権栃木大会2回戦 作新学院8―1小山=七回コールド)
大会直前、前監督が指導で危険な行為があったとして謹慎になった作新学院。試合への影響が懸念されたが、選手たちは全く動じることなく、実力を発揮して初戦を突破した。
この日は選手層の厚さが光った。2けた背番号の野嶋奏太(3年)、根本一冴(3年)が先発メンバーで出場。一回、この2人が立て続けに適時打を放って計3点を挙げ、チームを勢いづけた。2人は三回にも連打で追加点を奪った。
初のスタメンだった野嶋は「自分は逆方向に強い打球を打てるのが長所です」と笑顔。「背番号は関係なく、チームのために自分がやるべきことをやるだけ」と言葉を弾ませた。3安打の根本も「つなぐ打撃で追加点を取れたのがよかった」と満足そうだった。
今大会で指揮を執るのは佐藤充彦監督。「選手起用はまだよく分からない。一番いい顔をしている。調子が良い。走れている。そういう選手をスタートで出した」というが、昨年度からコーチを務め、選手の特性はしっかり把握している。
前監督とは学童野球時代から一緒で、作新学院でも同じチームで春の甲子園ベスト8に進出した「親友」でもある。佐藤監督は就任してすぐ、選手たちに「新しく変えることはない。この大会を勝ち上がり、甲子園で戦う。これは監督が代わろうとも、一切変わることはない」と伝えた。
この言葉が選手たちに浸透している。主将の葭葉慶治(3年)は、大会を迎えることは「緊張より楽しさ。昨日は雨で中止になって、みんなで早く試合をやりたいと話していた」と余裕をみせた。作新学院が優勝候補の一角であることは、今夏も変わりはないようだ。(津布楽洋一)