◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(15日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381 yd(パー71…

自身初メジャーは驚きでいっぱい

◇メジャー最終戦◇全英オープン 事前(15日)◇ロイヤルポートラッシュGC(北アイルランド)◇7381 yd(パー71)

大会前週の日曜日、ほぼ満席のスタンドからギャラリーに見られる感覚は、日本では味わったことがない。「ハマスタ(プロ野球・横浜DeNAベイスターズ本拠地の横浜スタジアム)みたい…」。18番グリーンをぐるりと囲む客席を見て、阿久津未来也はすっかり海外メジャーのとりこになった。

ファンから気軽に声をかけられるのもうれしい

大会側によると、今年は期間中の8日間で27万8000人の来場が見込まれる。6月の国内ツアー「ミズノオープン」優勝の資格で出場を決めた阿久津は、30歳にして今大会が自身初の海外メジャー。開幕4日前に目にした光景は、「まだ日曜だよね」と目を疑うほどのものだった。「何もかも、全部に驚いている。まず、送迎がベンツでしょ」と笑ったが、会場入りした日から、目にするもの一つひとつにスケールの大きさを実感する。

18番グリーンを囲むスタンド席、ホール横に設置された「アパートみたい」な観客用のホスピタリティ施設。グッズショップも「体育館くらい、デカかった」と夢中で見て回り、気づけば10数万円を使っていた。そしてなにより、ゴルフの本場に漂う熱気がプロゴルファー冥利に尽きる。

難しくて、スコアは「想像できない」

現地で目にした大会CMには、『日曜から日曜まで、8デイズを楽しんで』の宣伝文句。「子どもたちやギャラリーが気軽に声をかけてくれて。街全体が楽しみにしている試合だなと、ひしひしと感じる」と高揚感を覚えた。

「もう、すっかり病みつき」とメジャーの空気を噛みしめつつ、目の肥えたギャラリーの前でプレーする緊張感は常にある。「アウトコースから、大きいスタンド席がいっぱいある。ミズノオープン優勝者として来ていることを自信にして、初日の1番に立ちたい」と表情を引き締めた。

思い描くのは、18番グリーンで大歓声を浴びる自分の姿。「バーディ、獲りたいですよね」。ギャラリーの視線を集める緊張感も、湧き上がる歓声も、一度経験したら病みつきになるに違いない。(北アイルランド・ポートラッシュ/谷口愛純)