(15日、第107回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 茨木工科・福井・北摂つばさ・箕面東2―0大阪府立いちりつ) 「い…

 (15日、第107回全国高校野球選手権大阪大会3回戦 茨木工科・福井・北摂つばさ・箕面東2―0大阪府立いちりつ)

 「いけるぞ!」。大阪府立いちりつの土路生(とろぶ)敬太選手(3年)は負けが決まる瞬間まで、ベンチから声を出し続けた。

 高校から本格的に野球を始めた。中学校時代は卓球部。ラケットからバットへ。白い球は数倍大きくなったけど、「全く当たらなかった」。

 内野ノックでは、強いゴロがなかなか捕れなかった。チームメートが捕球の仕方から、打撃のコツまで丁寧に教えてくれた。

 2年の夏、初心者で一緒に入った同級生が退部した。「自分もやめようかな」。そんな思いが頭をよぎったとき、仲間が「一緒に続けようぜ」と励ましてくれた。

 それから1年間、野球に没頭した。今大会に出場することはなかったが、「気持ちが強く、ひたむきに練習をがんばった選手」と小林大祐監督はたたえる。

 今春、土路生選手の姿にあこがれ、初心者が入部した。「最後までがんばってほしい。一生の仲間ができるから」とエールを送った。(田中祐也)