<全国高校野球選手権埼玉大会:川越東11―1川越南(6回コールドゲーム)>◇15日◇3回戦◇所沢航空公園記念球場 川越勢…
<全国高校野球選手権埼玉大会:川越東11―1川越南(6回コールドゲーム)>◇15日◇3回戦◇所沢航空公園記念球場
川越勢同士の“川越ダービー”となった川越東と川越南。この対戦は、昨秋の西部地区一次予選でも実現しており、その時は川越東が9対0と大勝。川越東は私立男子校で学校規模も大きく、進学校としての人気も高い。対する川越南は、地場に根差した、いわば普通の公立校という存在である。
今春の県大会でもベスト4に進出している川越東は、今大会はBシードという立場で、組み合わせも、四隅の一角からスタートした。
川越東の先発マウンドは背番号16で、大会直前に登録変更でメンバー入りした遠藤 芳晃投手(3年)だ。公式戦は、初先発である。とは言うものの、昨夏は2年生でメンバー入りしていた投手でもあり力はある。今春から、前任の野中 祐之現部長の後を受けて就任したOBでもある岡田 稔基監督は、「上まで進んでいくということを見据えた時に、5人いる投手陣の中でキーになっていく存在だと思っていますから、ここで先発として使えて、しっかりと投げてくれたことはよかった」と、期待に応えてくれたという思いだったようだ。
川越東は、初回に二死走者なしから3番星 智貴選手(3年)の安打から盗塁と四死球で満塁として6番に入っている遠藤投手自身の右前タイムリー打で2点を先取する。これで、試合の主導権は川越東が握っていくことになった。
遠藤投手も、自らのタイムリーで気をよくしていたということもあってか、スイスイと投げていき、その間に川越東は3回に3点、5回に2点と追加していく。遠藤投手は5回までは4安打はされたものの無失点。
6回に川越東が、2本の二塁打などで4点を追加して11点を奪い、その裏に二死走者なしから3連打で1失点となったものの、遠藤投手は当初から予定されていた、6イニングという自分の責任に任せられた仕事をしっかりと果たしたと言っていいであろう。
この夏が初采配となった川越東の岡田監督は、「特に夏の大会だからということは意識はしていません。今までの練習試合などと同じようにやれていると思います。むしろ、自分としては、ここへ来るまでの日々の練習こそが采配だと思っています」と、思いを述べてくれた。前任の野中部長は、そんな若き指揮官を優しい眼差しで見つめながら、「いい感じになっていますよ」と語っていた。