<全国高校野球選手権大会東東京大会:八王子7-3大成>◇15◇3回戦◇府中市民球場線状降水帯のような細長い雨雲の影響で、…

<全国高校野球選手権大会東東京大会:八王子7-3大成>◇15◇3回戦◇府中市民球場

線状降水帯のような細長い雨雲の影響で、八王子市、昭島市、立川市、多摩市など周辺の試合会場は軒並み雨天により中止になったが、府中市民球場は、時おり激しい雨が降る時もあったが、止んでいる時間も長く、試合は無事に行われた。

春季都大会で八王子は、エースの古山 球道(3年)と1番・遊撃手で主将の新井 唯斗(3年)が活躍して準決勝に進出したが、この試合では古山や新井は本来の活躍ができず、大成に苦戦を強いられた。それでも他の選手がカバーして、逆転勝ちを収めた。

八王子の先発はエースの古山。古山は立ち上がりが不安定なことが多いが、この試合では、いつも以上に不安定だった。1回表、打者4人に対し、1奪三振はあるものの、3人に四球を与え一死満塁のピンチを迎える。ここで八王子の安藤 徳明監督は古山に代えて、背番号13の2年生、河口 陽向を投入した。

「初戦でなければ、(古山を)もう少し投げさせたと思います」と安藤監督は言う。シード校の八王子は初戦だが、大成は初戦で武蔵村山を12―6で破っている。シード校としては、既に1試合もしくは2試合を経験しているチームと対戦する初戦は、入り方を間違えると、思わぬ結果を招くことがある。

 大成は八王子の河口から、5番・三浦 友翔内野手(3年)の中前適時打と6番・荒井 虎乃輔外野手(3年)の遊ゴロの間に走者が1人ずつ生還して、2点を先制する。

 リードを許しても、1番・新井からチャンスを作り、攻撃をつなげるのが八王子の攻撃パターンだが、この試合で新井は、内野安打を2本打っているものの、本来の打撃とは程遠かった。

 3回裏は八王子の1番・新井が二ゴロで倒れた後、2番・井上 将内野手(3年)が四球で歩くと、左打者の3番・佐藤 侑翔内野手(3年)は、左前安打を放つ。「甘く来るだろうと思い、真っ直ぐを狙いました。やや刺されましたが、レフトにうまく飛びました」と語る。4番・大野 叶輔外野手(3年)が四球で満塁となり、5番・大森 友輝(3年)の中犠飛で八王子が1点を返す。

 4回表八王子は、一死一、二塁から1番・新井が遊ゴロ。それが二塁走者に当たり、記録上では内野安打になったものの、頼りの新井でチャンスが広がらない。けれどもそういう時は、他の選手が頑張るのが「ありんこ軍団」と呼ばれた八王子の強みだ。2番・井上が同点打となる中前安打を放つと、続けて3番・佐藤侑が逆転だとなる中前安打を放った。井上も佐藤侑も初球を叩いての一気の逆転劇だ。さらに4番・大野も中前安打を放って、リードを広げる。「苦しい時は、みんなで会話をしてカバーをしあっています」と井上は言う。

 八王子は6回表からは、秋はエースだった島田 悠之介(3年)が登板。8回表に1点を失ったものの、八王子は6回裏に3点を追加している余裕もあり、落ち着いた投球だった。

 八王子は春に活躍したエース・古山が立ち上がり乱調でも、河口、島田の投手陣がカバーし、打の主役・新井が本領を発揮できなくても、井上や佐藤侑らがカバーする。古山や新井が本来の力を発揮すれば、さらに強くなるのは間違いないが、この試合では、春とは違った八王子の強さをみせた。