（15日、第107回全国高校野球選手権徳島大会1回戦 名西6―1小松島） 春夏計4回の甲子園出場経験がある伝統校の小松…
（15日、第107回全国高校野球選手権徳島大会1回戦 名西6―1小松島）
春夏計4回の甲子園出場経験がある伝統校の小松島は、チーム理念に「慎始敬終（しんしけいしゅう）」を掲げる。最初から最後まで気を抜かず、やり通すという意味だ。しかし、この試合では名西にそのお株を奪われた格好となった。
先発した三原光嵐（あらし）投手（3年）が先頭打者にいきなり三塁打を浴びる。一回は併殺でしのいだが、二回にスクイズで先制を許した。四回は連打で満塁のピンチを迎え、初回にも打たれた1番打者に、今度は走者一掃となる2本目の三塁打を浴びた。「直球が厳しいコースに決まらず、カウントを取ろうとして制球が甘くなると痛打された」と三原投手。
名西はその後も、取れそうな点を確実に取って突き放す「慎始敬終」といえる攻撃だった。
劣勢のベンチで小林慈来（ちから）主将（3年）はチームが消沈しないよう「まだ行ける」と声を出して励まし続けた。2年の時から4番打者を任され、期待に応えたいと頑張ってきたが、この日の4打席は結果が出なかった。
チームは最終回に反撃して意地の1点をもぎとった。「みなが粘りを見せてくれた。慎始敬終を掲げた成果は出せた」と自分に言い聞かせるように語った。（鈴木史）
