(15日、第107回全国高校野球選手権岡山大会1回戦 岡山芳泉10―0岡山・吉備高原) 8点差をつけられての五回裏2死満…
(15日、第107回全国高校野球選手権岡山大会1回戦 岡山芳泉10―0岡山・吉備高原)
8点差をつけられての五回裏2死満塁。打球が中前へ抜け、岡山・吉備高原の中堅手・矢吹隆主将(3年、岡山)は懸命に本塁へ送球した。だが、2人の走者がかえり、コールド負けが決まった。
矢吹主将は生還を見届けると、くるっときびすを返して中堅方向へ少し歩んだ。負けと分かっていなかったわけではない。「去年とまったく同じ最後だったんです」
昨夏、岡山は初戦で敗れた。あのときも満塁で中堅を守っていた自分の前へ打球が飛んで2人がかえり、試合が終わった。「あれから1年間必死でやってきたのに、なんでなんだろうと思って……」。受け入れられない思いが、本塁に背を向けさせた。
新チーム発足後、人数が足りずに吉備高原との連合チームになり、主将を任された。「生徒のカラーが全然違う。最初はコミュニケーションが難しかったけど、あちらからどんどん来てくれたのはありがたかったです」。月に1、2回の試合を中心に仲を深めていった。
最後の夏に出られて、楽しかった。ただ、投手が頑張って投げていただけに、攻撃面で応えられなかった悔しさがある。「ついてきてくれたみんなを勝たせられなかったのが申し訳ないです」(大野宏)