(15日、第107回全国高校野球選手権奈良大会2回戦 畝傍4―1大和広陵) 直球にも変化球にもキレがある。大和広陵のエ…
(15日、第107回全国高校野球選手権奈良大会2回戦 畝傍4―1大和広陵)
直球にも変化球にもキレがある。大和広陵のエース、岡田夢叶(ゆうと)(3年)は試合前、調子の良さを実感していた。
「昨夏のベスト8を超える成績を」。そんな思いでこの大会に臨んだ。昨夏は3試合に先発したが、もっとできたという思いがあった。
だが、先頭打者に右前安打を浴びると、盗塁と暴投で一気に先制点を奪われた。続く回では高めに甘く入ったカーブを痛打され、2回終了時点で0―3。出鼻をくじかれた。
それでも、三回は得意の直球とカーブを織り交ぜて3三振に切って取ると、以降は1失点に抑えた。
身長162センチ。「背が高い人には負けたくない」と、自分に合う投球フォームを模索し続けてきた。練習が終わり帰宅すると、時間を忘れるぐらい野球動画を見て研究を重ねた。
今春の県大会前、投球時に利き手とは逆の左手を大きく上げるフォームに変えた。中川裕貴監督に理由を聞かれると「こっちの方が力を伝えやすい」。次第に変化球にキレが生まれ、最速131キロだった直球は137キロまで上がった。
「悔いが残る」と試合後に一言。大学でも野球を続ける予定だ。「今日は自分のせいで点を取られた。もっと成長したい」(周毅愷)