(15日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 加古川東4―1加古川南) 118球、無心で腕を振った。負けたくな…

 (15日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 加古川東4―1加古川南)

 118球、無心で腕を振った。負けたくない相手だった。

 マウンドに立った加古川南の金沢獅憧(しどう)投手(3年)は「目の前の打者に集中していた」。120キロ台の直球とスライダーを軸に、リズムよく相手打線を抑えていった。

 相手は、シード校を破って勝ち上がってきた加古川東。加古川南との距離は2キロも離れていない。約2カ月前の練習試合では勝利したが、「負けたくない」と、気合が入った。

 1―1の同点で迎えた九回。「少し力んだ」と先頭打者に四球を与えた。その後、連打を浴びるなど3点を失った。「交代か」とベンチを見たが、出田勝弘監督は動かなかった。「信頼してくれている」。後続を抑えてベンチへ戻り、仲間の反撃を待った。

 しかし、試合に敗れ、涙があふれた。「悔しかったけど、今までの中で一番のピッチングができた」。表情は笑顔に変わっていた。(原晟也)