(15日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 報徳学園7―0科学技術) 「このままじゃ甲子園は無理だ」 試合後…
(15日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会3回戦 報徳学園7―0科学技術)
「このままじゃ甲子園は無理だ」
試合後のミーティングで、報徳学園の大角健二監督は選手たちに厳しい言葉をかけた。
結果的には大勝したが、四回まで安打は1本だけ。直球とスライダーを駆使する相手の高身長左腕に対し、左打者6人が並ぶ打線は苦しめられた。
選抜で2年連続準優勝を果たした昨年から試合に出ている二塁手の山岡純平(3年)は、監督の言葉を「本当にその通りだと思う」と受け止める。
「序盤で流れをつかめず、迷いもあったし、チーム内で焦りも見えていた」
春夏ともに甲子園に出た昨年は今朝丸裕喜(現阪神)ら、全国でも屈指の投手力を誇った。「投手の失点が計算できたから、どう3点を取ろうかというところだった」と大角監督。一方で、今年は「投手も打者も日替わり。状況ごとの対応力が大事になってくる」という。
現チームは昨秋、県大会2回戦で敗れた。春の県大会は決勝で東洋大姫路に1―2で惜敗した。
夏を迎えても、まだチームは発展途上だという。だからこそ、スタメンとして昨年の甲子園を経験した山岡と主将で遊撃手の橋本友樹(3年)への期待は大きい。
初戦となった2回戦の開始直前、大角監督はベンチで山岡と橋本を呼び出した。
「お前らがチームを引っ張れよ」
山岡は「自分がしっかり打ってチームを勢いづけよう」と燃えた。2回戦は2安打をマーク。この日は五回無死満塁で、右前へ先制打を放った。これでようやく打線も勢いにのり、打者一巡で6点を奪った。
山岡は「(試合内容の採点は)50点くらいだと思う。それまで、つながりがなかった」と反省する。そして、「僕たちはホームランが打てる選手があまりいない。しっかりつないでチーム全体で勝てたらいい。1―0でもいい」と言った。
ミーティングの最後、大角監督はこう付け加えた。
「勝ったからこそ反省できるんだ。もっとレベルアップしよう」。選手たちは次戦へ向けた練習のため、すぐに学校へ戻っていった。=ベイコム(尼崎)(室田賢)