7月25日から始まるベルギーGPで角田は浮上のキッカケを掴めるか(C)Getty Images F1シーズンはスケジュー…

7月25日から始まるベルギーGPで角田は浮上のキッカケを掴めるか(C)Getty Images

 F1シーズンはスケジュールの半分となる12戦を消化した。開幕戦のオーストラリアGPから今月行われたイギリスGPまでの約4か月間でさまざまなドラマが生まれている。その中で、唯一の日本人ドライバーである角田裕毅にとっては、レッドブル加入以降、苦しいレースが続いている。

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 3月下旬にリアム・ローソンと交代でレッドブル昇格を果たすも、決勝最高位はバーレーンGPの9位となっており、入賞回数はわずかに3回。現在では5戦連続でポイントを逃している状況だ。

 トップカテゴリーでのキャリアが評価された角田が成績不振のローソンに替わりレッドブルの一員となったものの、シーズンが進むにつれ、期待とは程遠い結果が刻まれ続けるばかり。そして、そのパフォーマンスに対しては、海外メディアでも厳しい指摘が絶えることは無い。

 英専門サイト『RacingNews365』が現地時間7月13日、今季のF1前半戦において独自の考察により、各チーム・ドライバーの中から「勝者」と「敗者」をピックアップしている。

「勝者」には、12戦9勝と圧倒的な勝率を誇るマクラーレン、コンストラクターズランキングで5位につけるウイリアムズ、ドライバーでは開幕からルーキーとして目覚ましい活躍を見せるレーシングブルズのアイザック・ハジャーが挙がった。

 一方、いまだ勝利の無い名門フェラーリ、チーム代表の辞任やドライバー交代など混乱が続いているアルピーヌとともに、レッドブルでの苦戦が続いている角田が「敗者」として紹介されている。

 同メディアは角田に対し、「今季は、後方集団に沈むことがほとんどで、期待されたようなパフォーマンスを見せられていない」と断言。さらに、「このままでは、シーズン終了後にレッドブルのシートを失う可能性が非常に高く、他チームへの移籍先も多くはないことからシート喪失=F1離脱の危機に直面している」などと論じている。

 また、角田のスキル以外での課題にも言及しており、「成績不振の原因をドライバーに求めるのは簡単だが、セルジオ・ペレスやリアム・ローソンも同様に結果を残せなかったことを考えれば、根本的な問題はマシンのドライバビリティにあるのではないかという疑問が浮かぶ」と指摘。

 その上で同メディアは、「いずれにせよ、これはツノダが夢見てきたようなレッドブルでの冒険とは程遠い。開発の主軸が2026年マシンに移行しつつある状況では、ツノダの今季中での挽回は極めて難しい」と見通している。

 後半戦では各チームとも来季に向けた動きも目立ってくる中で、角田はどのような結果を残して行けるか。まさにここからの一戦一戦は、自身の未来が懸かる正念場のレースとなるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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