<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:慶応志木8x-7 狭山清陵(延長10回)>◇13日◇2回戦◇川口市営球場 慶…
<2025年全国高等学校野球選手権埼玉大会:慶応志木8x-7 狭山清陵(延長10回)>◇13日◇2回戦◇川口市営球場
慶応志木は現在20歳、慶応大学3年生の学生監督の石塚大起氏が率いている。
就職活動などもあり今大会が最後。試合後、思わず涙を流した。それほど、大会直前のチーム状況が苦しかったことを物語っている。
好左腕・正野敬二郎(3年)擁する慶応志木と狭山清陵という共に打線に自信を持つ両校の一戦。
先発は慶応志木が
「夏は正野1人では投げ切れないのと正野が後ろにいた方がゲームメイクしやすいんで」(石塚監督)
ということで背番号11の右腕・住友大志(3年)、一方の狭山清陵は背番号7の柿沼拓海(3年)が先発し試合が始まる。
試合は初回から動く。
立ち上がり不安定な慶応志木・住友は2四球やエラーでいきなり無死満塁のピンチを招く。だが、4番・尾越陽来(3年)の犠飛で1点を失うも後続を打ち取り最小失点で凌ぎ切る。
すると慶応志木はその裏、狭山清陵・柿沼の立ち上がりを攻め、先頭の松田陽貴(3年)がレフト線へ二塁打を放つと、続く藤田京輔(3年)のバントが相手のエラーを誘いまず同点、さらに3番・中村優仁(3年)が死球で出塁すると、相手ワイルドピッチで無死二、三塁とし、4番・勝呂海里(3年)の犠飛ですぐ逆転に成功する。
2回以降は両先発が落ち着きを取り戻し2対1のまま中盤へと進む。
ここまではまずまずの試合展開であった。だが5回表、状況が暗転する。
慶応志木・住友が3巡目を迎えた狭山清陵打線に捕まる。
1番・森谷柾仁郎(3年)、2番・中村悠希(3年)、3番・本橋大翔(3年)に3連打を浴び同点とされると、尾越に犠飛を浴び、逆転された所で慶応志木ベンチはエース正野へスイッチする。だが、頼みの正野も相手の勢いを止められず、代わり端を攻められ5番・肘黒銀士(3年)、6番・鍋内一輝(3年)に連打を浴び3点のビハインドとなる。
一方、打線に自信のある慶応志木もすぐに反撃を開始。6回裏、中村の右中間へ三塁打を足がかりとし、内野ゴロで1点を返すと、7回裏にも、狭山清陵の2番手・吉村琉似(3年)を攻め、一死から正野のセカンドへの打球が内野安打となる。するとそこから、永澤昊大(3年)、松田、藤田の3連打で1点差、さらに一死満塁から中村の犠飛でついに5対5の同点とし試合は延長タイブレークへ。
だが、10回表、慶応志木の懸念事項である守備が乱れる。
一死一、三塁から鍋内の打球は浅いライトフライ。三塁走者は自重していたが、ライトのバックホームが逸れ狭山清陵に1点を与える。さらに、二死二塁からワイルドピッチと、キャッチャーの三塁送球が逸れる間に二塁走者を一気に本塁まで還し2点差となる。
追い詰められた慶応志木は、その裏、無死一、二塁からベンチは強攻の指示。一死後、勝呂がライト前適時打を放ち1点を返すと、続く矢吹健太郎(3年)が四球で繋ぎ満塁とし、6番・三木翼(2年)がサード強襲の適時打を放ち同点。最後は7番・菊池宏祐(2年)のやや浅い外野フライに三塁走者・勝呂が勝負をかけ本塁突入し間一髪生還。慶応志木が劇的なサヨナラ勝ちで狭山清陵を下し初戦を突破した。
石塚監督は試合後思いの丈を吐き出した。
「正直、去年よりチーム状態は悪かったです。ここで負けたら情けすぎるって思っていたんですが、結果的に一番良い形で終われた」(石塚監督)
「5回の失点でも雰囲気が上がらなくて最後は開き直った」(勝呂)
慶応志木はベストなスタメンではなかったが、最後に劇的な形で大会に入った。
これで一枚岩になれるのではなかろうか。
「今日は全然ダメだったんですが春よりは仕上がってきている。マウンドが合わないのもありましたがそれは相手も同じなので。フォーム的にもインステップになってしまったので次戦までに修正します」
と、悪いなりにゲームを作ったエース正野も次戦に向け修正を誓う。
元々ポテンシャルは高いだけに勢いに乗った慶応志木打線に今後も注目だ。