◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(13日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パ…

ジーノ・ティティクルは正規18番の“ウィニングパット”を決められずメジャー初制覇を逃した

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(13日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー71)

ジーノ・ティティクル(タイ)のメジャー初制覇は目前だった。17番のバーディで1打リードして正規72ホール目の18番(パー5)へ。プレーを残しているライバルは同組で2打差のグレース・キム(オーストラリア)くらいで、絶対的に優位な状況と言えた。

手堅いレイアップからピンそば3mほどのチャンスメーク。想定外はキムのセカンドが奥の傾斜から数十センチまで寄ってイーグル確実となっていたこと。それでも決めれば優勝というバーディパットがわずかにカップ右へそれた。

グレース・キム(右)とのプレーオフ2ホール目で敗れた

「そこで戦えたことを誇りに思う」と振り返ったプレーオフの18番でも、“まさか”は起きた。1ホール目のセカンドを右のペナルティエリアに打ち込んでいたキムが、ドロップした後の4打目を直接流し込むミラクルチップインバーディ。明らかに表情がこわばる中でも3mを決め切って2ホール目に持ち込むたくましさを見せたが、大きなミスなくプレーしているはずのティティクルが追い込まれている雰囲気は漂った。

4日間とも60台をそろえたのは1人だけだったが…

2ホール目も1ホール目と同じように奥から3打目を寄せた。しかし、2mのバーディパットを打つことなく、2オンしてイーグルを決めたキムに敗れた。フィールドでただ一人、4日間60台をそろえても勝てなかった。「何が起こっても、自分自身に言い聞かせるだけ。『絶対に君の味方だ』って」と気丈に言った。

メジャートップ10はキャリア9度目。悔しさを糧に

欧州女子ツアーで数々の最年少記録を打ち立て、古江彩佳渋野日向子の“同期”として乗り込んだ米ツアーでもいち早く勝った。2022年10月には19歳で世界ランキング1位に輝いた。17年に14歳でメジャー初挑戦となったエビアンでは、6度の出場でこれが4度目のトップ10入り。5大メジャー全てで記録しているトップ10フィニッシュは9度を数える。ただ、頂点だけが遠い。

「ミスした時も含め、きょうの全てが私にとって素晴らしい瞬間だった。自分のプレーを誇りに思うし、これを乗り越えられると信じている。将来、もっといいチャンスが巡ってくることを願います」。ビッグタイトルをつかむまで、歩みは止めない。(フランス・エビアン/亀山泰宏)