(13日、第107回全国高校野球選手権静岡大会2回戦 常葉大菊川7―2静清) 「変化球を使ってコーナーをつき、思い通り…

 (13日、第107回全国高校野球選手権静岡大会2回戦 常葉大菊川7―2静清)

 「変化球を使ってコーナーをつき、思い通りにバットを振らせないようにする」。常葉大菊川の強力打線に対し、静清の内藤優央(まお)投手(3年)と大橋一輝捕手(3年)は、そう打ち合わせをして臨んだ。コントロールを重視することを心がけたが、二、五回は、いずれも四球から崩れ、複数点を許した。

 五回裏。四球からヒットエンドランと送球の間に、あっという間に無死二、三塁のピンチに。「三振に切って取る」と念じて常葉大菊川の3番・佐藤大加良(たから)選手に投じた初球は甘く入り、右前に運ばれて2点を失った。「背番号1をもらったからには、抑えないといけない場面だった」

 1年秋からエースナンバーを背負ってきた。角度のついた直球と、球のキレが持ち味。今春の球速は145キロに伸びた。だが、背中のけがが治ったばかり。さらにこの日は制球が定まらない。「気持ちばかり、先走ってしまった。自分が抑えてやる、と思いすぎた」。この回は一つもアウトを奪えないまま、佐野恭太郎投手(3年)に後を託した。

 試合後、「相手の『圧』みたいな、気迫に負けていた」と内藤投手は振り返った。選抜出場校との勝負は楽しみだった。それなのに。野球を続けてさらに成長することを誓った。「チームを勝たせる投手になりたい」(斉藤智子)