<第107回全国高等学校野球選手権 愛知大会Gブロック:名古屋たちばな7―0豊田工科(8回コールドゲーム)>◇14日◇3…
<第107回全国高等学校野球選手権 愛知大会Gブロック:名古屋たちばな7―0豊田工科(8回コールドゲーム)>◇14日◇3回戦◇パロマ瑞穂球場
愛知大会は、この日からシード校8校も登場する3回戦となった。昨夏は、シード校の享栄を下すと、伝統校の大府や5回戦では愛工大名電を破るなど、旋風を巻き起こした名古屋たちばな。昨秋は、県大会で3位となり東海地区大会にも進出した。しかし、今春は3回戦で三好に敗れてシード権を逃した。それでも、チーム力は、シード8校と遜色はない。
この夏は、注目の芹澤 大地投手(3年)を擁する高蔵寺と2回戦で対戦。地力を見せつけて、6対0と快勝して3回戦進出を果たし、改めて力があるということを認識させるものだった。
そんな名古屋たちばなに挑む豊田工科は、今春に安城から異動してきた加藤 友嗣監督が指揮を執る。安城監督時代から、トリッキーな野球を仕掛けてくることでは定評があり、豊田工科で果たしてどんな野球を仕掛けてくるチームを作ってくるのか、どこまでデータ分析しながら戦ってくるのかということも含めて、非常に興味深い戦いでもあった。
結果的には、名古屋たちばなが力の差を示すような形で、8回コールドゲームとしたが、豊田工科の加藤監督は、「4カ月の間で、こちらの意図することを理解してくれて、バッテリーも頑張ってくれたと思う。打てなかったのは、力の差で仕方ないところはあるけれども、やるべきこと、やろうとしていたことはやってくれたし持っている力は出せたと思う」と、選手たちの頑張りは評価していた。
ことに、名古屋たちばなの注目打者・淺井 大介選手(3年)に対して、内野安打1本のみに抑えたのは見事なバッテリーの勝利だった。「思い切って度胸よく、勝負に行こう」という投球の気持ちが優ったとも言っていいであろう。また、守りでも大きなミスがなかったことも、豊田工科としてはいい内容だったと言えよう。
そして、「この戦いは、新しい豊田工科を作り上げていく上でも意味のある戦いだったと思う。自分たちのやれることは何か、それを求めてチームを作っていきたい」と、敗戦の中からも、前向きの思いは失うことなく、早くも、秋へ向けての新チームへの思いも描いているようだった。
名古屋たちばなの鈴木 将吾監督は、「多くの人に注目されていた中で、高蔵寺戦は芹澤君を攻略できて、思った以上によくできたということもあった。その次の試合だったので、案外苦しむかもしれないと思っていました。しかも、ここで勝ったら多分、次は、春にやられた三好でしょう。そんな意識も出てきてしまうかもしれんとは思っていた。だけど、中島(稜太)がよく投げた。身体も柔らかく、まじめに努力する子なんでね」と、今どき珍しいくらいに、大きく振りかぶって投げてくる中島投手の7イング13奪三振好投を称えていた。
また、細かく得点を重ねていった打線に関しては、「日替わりメニューのような、誰がヒーローなのかわからない中でも勝っていくのがうちの持ち味」と、今のチームの状況を語ってくれた。