◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(13日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パ…

アマチュアのロティ・ウォード(左)が米女子ツアー出場資格を得た

◇女子メジャー第4戦◇アムンディ エビアン選手権 最終日(13日)◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6504yd(パー71)

57年ぶりとなる、アマチュアによるメジャー制覇の快挙は手の届くところにあった。世界アマチュアランキング1位の21歳、ロティ・ウォード(イングランド)は通算13アンダー3位でプレーオフ進出に1打及ばなかった。

5打差19位からスタートして、出だし4ホールで3バーディを奪った時点で優勝のチャンスを意識した。がむしゃらに伸ばしていくのではなく、常にリーダーボードで戦況を確認しながら、前半だけで5バーディを奪った。通算11アンダーでジーノ・ティティクル(タイ)と並ぶ首位に立ってサンデーバックナインに入り、「フロントナインが終わった時点で上位にいること、(戦いを)リードしていることは分かっていた」と振り返る。

最終日の「64」も通算271ストロークもアマの大会記録

2mほどのパーパットがカップのふちをクルッと回って外れた14番(パー3)が唯一のボギーとなったが、攻め手は鈍るどころか鋭さを増した。15番(パー5)でバウンスバックを決めた後もチャンスを量産。17番は傾斜で守られた右手前ピンの狭いエリアに高い球を止めたがバーディパットを決めきれない。18番(パー5)も左に曲げて刻んだ後の3打目を4mほどにつけたが、バーディを奪えなかった。

プレーオフ進出には1打及ばず

クラブハウスリーダーとして練習場で球を打ちながら、後続のプレーをスマートフォンの中継映像で見守ったものの、グレース・キム(オーストラリア)とティティクルによるプレーオフには1打足りなかった。この日の「64」、4日間通算の271ストロークはいずれもアマの大会新記録。「確かにちょっと複雑。でも、きょうのプレーには満足している」。単独トップに浮上した時間もあり、勝機が十分だったからこそ悔しさも湧いてくる。

それでも、得たものは大きい。トップアマ競技や米ツアー大会での成績に応じてポイントを付与する「LPGAエリートアマチュアパスウェイ(LEAP)」の獲得ポイントはトータル20ptに到達。LEAPの第1号として米ツアーメンバーに加わる資格をゲットした。「100%、夢だった。ずっとLPGAでプレーしたいと思っていた。それがいつになるにせよ、本当に楽しいし、すべてのイベントでプレーするのが楽しみ」

即座のプロ転向については明言を避けた

フロリダ州立大に在籍する21歳は、前週の欧州女子ツアー「KPMG女子アイルランドオープン」で優勝も飾ったばかり。エビアンでも改めてプロの世界で戦える実力があることを証明した。「これから1週間、家族やコーチと話し合って決めるつもり」と話したのは、プロ転向するタイミングのこと。すぐに転向すれば、2025年の残りと26年シーズンいっぱいの米ツアー出場資格を得る。

制度上は、いったん見送って26年のみの資格に絞ることも可能。ウォードは2週後の「ISPS Handa スコットランド女子オープン」、翌週の今季メジャー最終戦「AIG女子オープン(全英女子)」の出場権を持っており、近く意向を表明することになりそうだ。(フランス・エビアン/亀山泰宏)