◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 最終日(13日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)…
◇米国&欧州男子ツアー共催◇ジェネシス スコットランドオープン 最終日(13日◇ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)◇7282yd(パー70)
「何をやってもうまくいかない。もう、試合に出たくない」。心身ともに、そう苦しんだ1年前に比べたら、年間ポイントランキング17位で推移するシーズンは順調な歩みに思える。それでも、求める結果にはまだ遠い。「ヨーロッパで、まだ全然戦えていない」。8月「英国マスターズ」(ザ・ベルフライ 21~24日)からの5連戦が、中島啓太の正念場だ。
昨年は3月「ヒーローインディアンオープン」で欧州初優勝を果たした後、6月に右足の痛みを発症、8月には腰の痛みに悩まされた。「英国マスターズ」(33位)から組んでいた5連戦は初戦で辞めて帰国。「(クラブを)振れないし、何をやってもうまくいかない。ゴルフをやりたくないと思ったのは初めてでした」と療養のため、約1カ月ツアーを離れた。
今季は栖原弘和トレーナーと年間契約を結び、腰痛の予防のために腹筋や体幹トレーニングを強化。腰回りの筋肉量が増えたことで、ケガに悩むことなく戦えている。「いままでは、ウエートトレーニングをやれば体幹も鍛えられるという発想だった。そこに気づいてくれた須原さんには感謝したい」と昨年とは違ったシーズンを過ごせているが、だからこそ、結果に結びつかない状況がもどかしい。
この日も終盤の失速が悔やまれた。53位で迎え、インスタートの14番(パー3)で1.2mにつけてバーディを先行。その後も安定したショットでパーを重ねて6番(パー3)もピンに絡めてバーディを奪ったが、ピンチは直後にやってきた。「前のホールのバーディで、力が入った感じはあった」と、距離の長い7番でフェアウェイバンカーを警戒したティショットを左に曲げ、ラフからの2打目も乗らず4オン2パットのダブルボギー。8番もティショットをバンカーに入れるなどしてボギーを叩き、2バーディ、1ボギー1ダブルボギー「71」、通算イーブンパー55位で終えた。
「全然ボロボロ、ポンコツなのに」。ランキング17位というポジションと、ゴルフの状態とのギャップに表情が曇る。5月「全米プロ」から今週までの6試合でトップ10はなし、予選落ちは4度あった。それでもランク上位を保てているのは、3月「シンガポールクラシック」、「ヒーローインディアンオープン」の連続2位が大きい。「あれはアジアの試合なので、ヨーロッパで戦えていない感覚が強い」と危機感を持ってシーズン後半に入っていた。
本大会を終えて4週間のオフを挟み、「英国マスターズ」から「フェデックス フランスオープン」(9月18~21日 ゴルフ de サン・ノム・ラ・ブルテッシュ )まで5連戦を組んでいる。「大きい大会が続きますし、ポイントも大事になってくる。なんとかしないと」。昨年戦えなかった5連戦で、ことしは再浮上のきっかけをつかみたい。(スコットランド・ノースバーウィック/谷口愛純)