(13日、第107回全国高校野球選手権愛知大会3回戦 安城6―3刈谷) 「声出し」にかけた職人の夏が終わった。 刈谷は…
(13日、第107回全国高校野球選手権愛知大会3回戦 安城6―3刈谷)
「声出し」にかけた職人の夏が終わった。
刈谷は、ベンチ入りメンバーを部員間のアンケートをもとに決めている。その結果、愛知大会で背番号15を獲得したのが片山翔太選手(3年)だ。三塁手だが打撃が苦手で、試合に出場することはほとんどない。活躍の場は試合中、毎回の攻撃前にベンチの前で行う円陣。その中心でチームを奮い立たせる「声出し」が、チームメートから評価された。
声が大きく、練習でも積極的に声を出す片山選手。昨秋から円陣での声出しを任されている。
「普通にやっても面白くない」といつの間にか内容も凝りだした。試合のたびに約1時間をかけて9イニング分の話題を考え、カレンダーの切れ端を利用した「ネタ帳」にしたためる。「チョロQ」や「モンスターハンター」といったユニークなテーマもあり、「劣勢の時でも、声でチームを笑顔にしてくれる」(亀井洋佑主将)。
この日の相手は春の県大会で敗れている安城。円陣で片山選手は「ブレックファスト(朝食)の語源って知ってますか?」と切り出した。
ファスト(空腹)を打ち破ることが語源という。「春の県大会で負けて、僕たちは今『勝ちたい』という空腹の状態ですよね。勝って空腹を打ち破りましょう。さあ行こう!」「よっしゃー!」
その言葉で奮起したチームは、七回まで同点の熱戦を繰り広げた。試合には敗れたが、片山選手は「悔しいけど、ベンチからチームを盛り上げる役目は果たせた」。
将来の夢はこれから見つけるという。「人を支えたり応援したりするのが好き。これからもそれを生かしたい」(松本敏博)