RB21をいかにコントロールするか。角田が課されたミッションは想像以上に難しいものだ(C)Getty Images 今シ…

RB21をいかにコントロールするか。角田が課されたミッションは想像以上に難しいものだ(C)Getty Images
今シーズンのF1前半戦、最後のレースとなったイギリスGPでは、ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグが3位に入り、239戦目にして初の表彰台を獲得した。キャリア15年目を迎えた37歳のポディウムに登った姿は、今季のハイライトの1つとして記憶されることとなる。そして、ベテランが残した輝かしいリザルトは、今季苦境に喘いでいるドライバーにもさまざまな影響を及ぼす可能性があるようだ。
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表彰台まで史上最も長い期間を擁したヒュルケンベルグの記録が途切れ、レッドブルの角田裕毅が99戦で表彰台“未経験”現役最長ドライバーとなった。今季は日本GPよりレッドブルに緊急昇格を果たすも、入賞がわずか3度、マシンへのアジャストにも苦しんでおり直近2戦では最下位でレースを終えている。
F1参戦5年目でのトップチーム入りにより期待されていた初優勝や表彰台とは、程遠い位置にいる角田。ここまでの不振により、独メディア『DerWesten』では、ヒュルケンベルグの初表彰台という結果が、角田のキャリアにより大きな“打撃”を与えるなどと見通している。
7月12日のトピックにおいて同メディアは、「このF1シーズンは、レッドブル所属のツノダにとって、これ以上ないほど苦しい展開となっており、チームから課せられた非常に高い期待にまったく応えられていない」と評しており、イギリスGPでのヒュルケンベルグの結果から、現役最長で表彰台を逃している角田に対し、「深刻に危機感を抱かなければならない状況となっている」などと論じている。
また、「ツノダは99戦で表彰台無しという不名誉な現役最多記録を持つ選手となってしまった」と強調しながら、「37歳のヒュルケンベルグは今、トップチームのシートにふさわしい活躍を見せている。この動きの中で、ツノダはさらに立場が不安定になりかねない」として、来季に向けたドライバー市場にも言及。
さらに、両ドライバーの比較を行っており、「現在、ツノダはF1のドライバーランキングでわずか10ポイントの17位。この成績にレッドブル側が満足しているとは思えない。その一方で、ヒュルケンベルグはザウバーで好成績を連発している」などと指摘する。
その上で同メディアは、ヒュルケンベルグの初表彰台に対し改めて触れ、「この快挙が彼のF1キャリアにどのような影響を与えるかは、今後の展開次第だ」と綴り、トピックを結んでいる。
現在までの結果が、この先でのレッドブルや他チームのドライバー選考にどれだけの影響があるかは不透明だ。だが、角田にとってもこれ以上、後方でのレースを続けるわけにはいかないことも確かだ。あらゆる“雑音”を吹き飛ばすためにも、やはりトップ10入りはもちろん、自身初の表彰台も現実的な目標に掲げ、残りの12レースに臨む必要があるだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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