(13日、第107回全国高校野球選手権福岡大会3回戦 高稜10―2青豊=八回コールド) 「ここからが勝負」。1点リード…
(13日、第107回全国高校野球選手権福岡大会3回戦 高稜10―2青豊=八回コールド)
「ここからが勝負」。1点リードし、2死二塁で迎えた三回。高稜のスプーンレオン選手(3年)が直球を力強くたたくと、左越え本塁打に。2点を追加し、球場を一気に沸かせた。生還したレオン選手をベンチで出迎えたのは、スプーンアレン選手(3年)。はにかみながら、軽くハイタッチを交わした。
2人は双子の兄弟。小4のときにいっしょに野球を始めた。高校3年間は同じクラスで、いっしょに過ごした時間は長い。
魚が好きで、宿題を早めに終わらせるアレン選手。一方、肉が好きで、やるべきことを後回しにしがちなレオン選手。2人には当然、違いはあるけれど、大の仲良しであることに変わりはない。部の練習では並んで素振りをし、悩みがあればそれぞれが相談に乗る。
この日の試合では、1番打者のアレン選手が「スライダーに切れがあるから気をつけて」と4番打者のレオン選手に助言するなど、連携が光った。重本哲監督も「2人の活躍は大きかった」と貢献を認める。
この日は10―2の快勝。試合後は喜び合った。2人とも進学希望だが、同じ大学に進学できるかはわからない。「レオンと一緒に野球ができる最後の夏かもしれない」「最後の夏、アレンと悔いなく野球をしたい」。この調子で勝ち進み、2人で甲子園の土を踏みたい。(山本達洋)