(13日、第107回全国高校野球選手権山形大会2回戦 山形南8―4米沢鶴城) いい投手は、投げた後の姿も美しい。米沢鶴…

 (13日、第107回全国高校野球選手権山形大会2回戦 山形南8―4米沢鶴城)

 いい投手は、投げた後の姿も美しい。米沢鶴城のエース小柳柊二(しゅうじ)投手(2年)は、校名にちなむ「鶴」のように、腕を振り切ってからも手足をしなやかに伸ばす、華麗なフォームで好投した。

 先発した山形南戦は、打たせて取る投球がさえた。二回1死満塁のピンチでも、臆せずに内角を攻め、中飛と遊ゴロ封殺に抑えて切り抜けた。

 178㌢の長身は、マウンドで躍動すると、さらに大きく見える。「手足の長さを生かしています。腕を思い切り振ることで、ボールに勢いがついて、切れも出ます」

 二回には学校の「夏の初得点」に貢献。1死三塁の場面で三塁走者のとき、打者が振り逃げを試みた。捕手の一塁への送球の遅れを見逃さず、一気に本塁に走り込んだ。滑り込んでセーフ。念願の先取点をもぎ取った。

 米沢鶴城は米沢工と米沢商が統合して今年度に開校。初めての夏に挑んだ。四回以降の失点が響き、惜しくも初陣は飾れなかったが、学校の歴史に新たな1ページを刻んだ。

 校歌の一節に「両翼拡(ひろ)げ 夢へ飛べ」とある。その歌詞を思わせる伸び伸びとした投げ方で、小柳投手は新チームの羽ばたきを予感させた。「来年は絶対に勝って校歌を歌います」。そう飛躍を誓った。(渡部耕平)