(13日、第107回全国高校野球選手権徳島大会1回戦 つるぎ3―1吉野川) 吉野川の池本侑依香マネジャー(3年)は、試…

 (13日、第107回全国高校野球選手権徳島大会1回戦 つるぎ3―1吉野川)

 吉野川の池本侑依香マネジャー(3年)は、試合前の練習でバットを握りグラウンドに立った。丁寧に打球を転がし、内野の選手たちが軽快にさばく。「緊張もなく、普段通りにやれた」

 マネジャー業務よりも「(選手と)一緒に体を動かすほうが、よりチームとしての一体感が生まれる」。

 小学校、中学校と野球を続け、内野も外野もプレー経験がある。高校では部員が多くないこともあり、他校との練習試合で二塁手を務めたことも。野球への情熱とセンスを買われ、新チームとなった昨秋からノックを任されるようになった。

 この日の試合は1点を争う白熱した展開。同点のまま迎えた九回に相手に勝ち越され、仲間とともに戦った「夏」は終わった。

 照井晴文主将(3年)は「(池本マネジャーは)野球経験があって、ノックもいい感じで球を転がしてくれた」。坂尾翼監督も「マネジャーとしても、ノッカーとしてもよくやってくれた。感謝しています」とねぎらった。

 試合後、池本さんは言葉を詰まらせながら、「野球を続けるかどうかは、今はわからないです」。そう言って、涙ぐんだ。(鈴木史)