(13日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦、座間総合8―1津久井浜) 津久井浜の初回の守備。三塁のカバーに入…
(13日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦、座間総合8―1津久井浜)
津久井浜の初回の守備。三塁のカバーに入った投手の太田陽翔(2年)の右手人さし指に走者のスパイクの歯が入った。血が止まらず、救護室へ。マウンドに戻ったが、指はしびれたまま。それでも後続を三振などで抑えた。
力で押す、重い速球が特徴。10日の津久井戦を137球の熱投で完投。「はると、がんばれ」。声援を背に、この日も「気持ちで乗り切るしかない」と投げ続けたが、五回に崩れた。「力が入らなくなった。ストレートが甘くなり狙われた」
1976年に創設された同高野球部の1期生で16強に進み、監督も務めた高野浩顧問はクラスの副担任だ。「体は大丈夫か」「序盤はストレートを多くしてもいいのでは」。いつも気にかけてくれた。
グラウンド管理など裏方に徹する、高野顧問は今年度で再任用の任期を終える。「今日の悔しさをバネに全員で1日1日を大切にしてもっと強くなります」。還暦野球の試合で不在にした高野顧問には、こう報告するつもりだ。(村上潤治)