<第107回全国高等学校野球選手権 愛知大会Gブロック:千種14―3一宮南(6回コールドゲーム)>◇12日◇2回戦◇パロ…
<第107回全国高等学校野球選手権 愛知大会Gブロック:千種14―3一宮南(6回コールドゲーム)>◇12日◇2回戦◇パロマ瑞穂球場
先月末に開幕して、3週目に入った愛知大会。千種は初戦で豊川工科に11対0と快勝した。昨秋の名古屋地区一次トーナメントでは、会場校の強豪星城を下すなどして県大会進出。今春の一次トーナメントでは、昨秋の県大会では大敗を喫した中部大春日丘に1点差まで競り合った。県大会進出は逃したものの、打撃のチームを標榜した積極的な打線は魅力的で、チームとしてのまとまりもよさそうだ。
一宮南は尾張地区の誉、愛知啓成、誠信、愛知黎明といった私学勢に食い下がりながら、秋は地区ベスト4に進出して県大会進出を果たした。しかし、春は県大会進出を逃しており、その捲土重来も期している。今夏は初戦で東海を下しての2回戦進出となった。
似通ったチーム同士ということもあり、競り合いが予想された。
主導権を握ったのは千種で、3回表までで5対0とリード。その裏、一宮南も1番伊藤 奨真選手(3年)の二塁打などで2点を返す。
ここまではある程度競り合いを予感させる展開だった。
千種の佐々木雅弘監督は、「選手たちには、『8点取ろう』といつも言っています。その根拠としては、打てるチームなのだけれども、投手も含めて守りにいくらか不安があるから。それでも7点は取られないだろうということで、8点を一つの目標としました」と言う。とにかく、積極的に打って行くという姿勢である。
その打線が大爆発して、8点どころかその倍近い14点を叩き出した。5回には、打線が大爆発して4連打などを含む6安打で打者12人の猛攻となり、犠飛やバント野選もあって、大量7点を奪ってビッグイニングとした。
打線の中では、2番センター升田 雄大選手(3年)は、初回と2回の連続二塁打など5打数5安打3打点という大活躍。左、右、中と打球も巧みに打ち分けていた。さらに、守っても厳しい打球を好捕するファインプレーなども披露した。升田選手は、「自分としては、コースに逆らわない打撃を心がけています。今日は、それがしっかりできました。ある程度は足と肩にも自信がありますから、走攻守に揃った選手を目指したいです」と、終始笑顔で話していた。
佐々木監督は、大勝の試合だったが、12対2とした5回裏、1点を奪われて、その回でコールド勝ちを得られなかったことを反省材料としていた。
一宮南は、先発川口 拓真投手(2年)から遊撃手の鬼頭 正太投手(2年)と入れ替えたり、栗本 正太捕手(3年)がマウンドに登ったりと、目先を変えて交わそうとしていった。しかし、結果的には千種打線の思い切りの良さに、及ばなかった。