<第107回全国高校野球選手権鹿児島大会:加世田9-0喜界(7回コールド)>◇12日◇1回戦◇鴨池市民球場 喜界は昨夏以…

<第107回全国高校野球選手権鹿児島大会:加世田9-0喜界(7回コールド)>◇12日◇1回戦◇鴨池市民球場

 喜界は昨夏以来、1年ぶりに単独チームで挑んだ。結果は7回コールド負け。昨夏と同じく無安打だった。「打つ、守る、全てにおいてまだまだ通用しない」(星原 一慶監督)と思い知らされた。

 7回表だけで一挙7失点。無死一塁から二ゴロを焦って併殺をとれず、野選になったところから崩れた。満塁の場面で、打ち取った打球だったが、遊撃手後方、左翼手・中堅手前方に落ちた。誰が捕球するのか、連携が十分でないためのミスだった。ここから立て続けに連打を浴びて、一気に勝敗が決してしまった。

 終わってみれば無安打のコールド負けだが、6回まで0―2と競った展開に持ち込んだのも事実である。山本 虎士朗主将(3年)、繁山 常久(3年)のバッテリー、中堅手・南村 優輝(3年)、先頭打者の宮元 球児(2年)は川辺・串木野・薩摩中央・鶴翔・古仁屋と合同を組み、昨秋は初戦突破も経験している。「あの経験はむちゃくちゃ大きかった」と山本主将は言う。

 山本主将は入部以来、夏は単独、秋春は合同チームで試合に出続けた。「経験」を積んだことが勢いになり、地区大会では樟南二に勝利し、単独チームとしての公式戦勝利につながった。

 合同チームとなっても「喜界」の名前で試合に出続けるのは「島に希望を伝えたい」(星原監督)の一念である。少子化で子供の数自体が少なくなっている中、輪をかけて野球をやらない子供は増えている。それでも喜界として出続けることで、島で野球をやっている子供たちの希望であり続けたいという意気込みは、この一戦の中でも「示せた」と星原監督は感じている。秋以降1、2年生はまた合同チームに公算が大きいが、山本主将は「合同チームで経験を積み、また来年1年生を集めて、あわよくば勝利できるチームになって欲しい」と後輩たちに想いを託していた。