<第107回全国高等学校野球選手権和歌山大会:和歌山工2-1和歌山北>◇11日◇1回戦◇紀三井寺公園野球場 春8強の和歌…

<第107回全国高等学校野球選手権和歌山大会:和歌山工2-1和歌山北>◇11日◇1回戦◇紀三井寺公園野球場

 春8強の和歌山工が初戦突破。エースの山田 竜也投手(3年)が9安打3四死球13奪三振1失点で完投した。

 山田は県内で評判の好左腕。身長163㎝、体重65㎏と小柄だが、右打者の内角をストレートで強気に突く投球が持ち味だ。

 この日の山田は1回から2回にかけて4奪三振を奪うなど上々の立ち上がり。しかし、「無駄球が多かった」と毎回のように走者を背負う展開となる。

 それでも「ピンチの時も冷静に投げてくれていたので、なんとか抑えてくれるかなと山田を信じて見ていました」と中本 和希監督からの信頼は絶大。「打者に向かっていく強い気持ちがあったので、そういう思いで投げた結果がピンチを抑えたと思います」と要所で得意のストレートが冴え渡った。

 許した失点は振り逃げによる5回の1点のみ。球数が120球を超えた9回も球威は衰えず、最後は連続三振で試合を締めた。

 攻撃では山田の女房役を務める主将の7番・梶原 倖成捕手(3年)が2回裏と4回裏に二塁打で出塁してチャンスメーク。それを2年生で唯一スタメンしている9番・吉田 凌大内野手の犠飛と適時打で2点を奪った。

 「期待以上の結果を残してくれた」と中本監督に評価された梶原は「いつもはあまり打てないですけど、大会で山田を援護したい気持ちがあったので、それが結果に出てくれて良かったと思います」と語る。バッテリー中心に守り勝つ野球が和歌山工の持ち味だ。

 和歌山工のいるBゾーンは今春のセンバツに出場した智弁和歌山や市和歌山もいる激戦ゾーン。「僕たちがやることは一緒だと思うので、やるべきことをやって、一戦一戦勝っていきたいと思います」と梶原は意気込む。2強中心の展開が予想される和歌山に風穴を開けることはできるだろうか。