雪のないオフシーズンでも本格的なスキーやスノーボードの練習ができるように、新しいブラシの人工芝が完成した。パラスノーボ…

 雪のないオフシーズンでも本格的なスキーやスノーボードの練習ができるように、新しいブラシの人工芝が完成した。パラスノーボーダーと東京の下町の会社がコラボして考案・製作した。地球温暖化が進み雪不足が深刻化する中、夏場でもウィンタースポーツに親しんでもらうことで、競技者人口の増加を目指す。

 京都府京田辺市にあるスキー・スノーボードの練習施設「大阪KINGS」で、5月下旬に開かれたお披露目会。スロープやゲレンデに白く細かいブラシ素材が敷かれ、体験者たちはその上を滑ったり、ジャンプしたりして楽しんだ。愛知県清須市から家族で訪れた中学3年のスノーボーダー、松川莉々花さん(14)は初めてサマーゲレンデを体験した。「初めは芝に合わせて滑らないとだめかなと思っていたけど、雪山と似た感じで滑れて、全然難しくありませんでした」と話す。練習にはプロスノーボーダーの姿も。W杯日本代表として活躍し、日ごろから同施設に練習に訪れる木村葵来(きら)選手(21)は「エッジがしっかりかむから、こけることも少なく安心して滑れる」と評価した。

 施設の運営者で、開発に携わったパラスノーボーダーの岡本圭司さん(43)は「一般のスノーボーダーが気軽にできて、けがしない、簡単なものを開発したかった。今後もブラシの開発を進め、年中滑れる環境をつくりたい」とお披露目会であいさつした。

 スノーターフは縦横に2種類のブラシの組み合わせでできている。一方のブラシの毛先は独特のくぼみ形状になっており、前後方向を制御し、もう一方は少し短く、左右の動きを制御している。それにより板のエッジが食い込み、滑走中のコントロールやターンが安定するため、初心者でも本物の雪のような感触を楽しめるという。

 アプリ開発などで以前から協力してきた、ジャイロテクノロジー(東京都江戸川区)の武藤敬介社長(46)と、2年前から本格的な開発を始めた。