<第107回全国高校野球選手権鹿児島大会:樟南6-4隼人工>◇11日◇1回戦◇鴨池市民球場 昨夏準優勝で第5シードの樟南…
<第107回全国高校野球選手権鹿児島大会:樟南6-4隼人工>◇11日◇1回戦◇鴨池市民球場
昨夏準優勝で第5シードの樟南と昨秋8強で21世紀枠の鹿児島県代表に選ばれた隼人工。下馬評は樟南有利と目されていたが、隼人工が終盤粘りを見せた。
序盤は樟南が圧倒的に優位に試合を進めていた。
先発の右腕エース・犬窪 晴人(3年)は横手投げから最速140キロ台の球威と、コーナーを丁寧に投げ分ける投球で3回まではパーフェクト。5回までを投げて1安打の好投だった。
打線は隼人工の好右腕・浅井 聖(3年)を3回につかまえる。二死満塁から死球押出しで先制し、6番・赤城 颯飛(2年)から3連続適時打を浴びせ、打者10人で5得点のビッグイニングを作った。4回にも1点を加え、序盤は樟南のコールドペースだった。
流が変わったのは6回からだった。犬窪から左腕・藤岡 汰成(3年)にスイッチすると「左投手に対しては色々と仕込んでいたものがありました」(新開剛監督)隼人工が反撃に転じる。
6回表二死二三塁。大きくリードした二走・山口 敏行(3年)が二三塁間で挟まって引き付ける間に三走・中村 威風(3年)が生還して1点を返した。
7回は代打・山内 零王(3年)が右前適時打を放ち、三振で好機が潰えたかと思いきや、振り逃げ一塁送球が悪送球となり3点目が入った。
8回は3番手・五反田 流星(3年)のボールになるスライダーを見極めきれずに三者凡退だったが、9回に粘りを見せる。
「低目の変化球は捨てろと指示した」と新開監督。「自分たちらしい打撃をすることだけを意識した」(小島 蓮主将・3年)。3番・藏園 悠真(2年)、5番・中村 剛瑠(3年)が安打で好機を作り、6番・山下 珀人(3年)、7番・中村がボールを見極めて四球を選び、押出しで2点差とした。なおも満塁と一打逆転の好機が続く。9番・藏薗 遥人(3年)が初球を強振してファールした時「遥人の打球が外野の頭を抜けるイメージができていた」と新開監督。2球目、振り抜いた打球は左翼手へのライナーとなったが頭上を越えず、試合終了だった。
「少人数からのスタートだったけど、ここまで来ることができたのは3年生の絆のおかげ」と小島主将。新開監督は「3年生は2年4カ月やってきたことを全て出し切ってくれた。これからの隼人工の歴史に残る一戦だった」と賛辞を送っていた。