(12日、第107回全国高校野球選手権秋田大会2回戦 大館国際14―12平成) 平成は一昨年秋から同じ9人だけで戦って…
(12日、第107回全国高校野球選手権秋田大会2回戦 大館国際14―12平成)
平成は一昨年秋から同じ9人だけで戦ってきた。それぞれの打力に大差はない。よくいえば、その回、誰から始まっても「いい打順」だ。この日は、9番打者の細川幻真選手(3年)が中軸のような活躍をした。
「やってきたことを全部出せました」と3安打でチーム最多の3打点。六回の右前安打、七回の右中間を破った2点二塁打とも、一時は勝ち越しの価値ある一打だった。
打撃フォームを変えたのが数週間前。グリップの位置を胸の前から右肩の上にまで引き上げてみると、これがはまった。
小学校時代からの顔なじみが集まり、例えるなら、蒸気機関車のようなチームになったという。「どんどん力強くなっていく感じ。自分たちは後半に強いんです」。計12安打のうち10安打は五回以降に放った。
9人とも3年生。みんなが最後の夏だった。今春、下級生は加わらず、敗れれば、野球部は今後どうなるか分からない。だからこそ、活躍したかった。
「きょうの平成を見て、この先、誰かが野球部に入ろうと思ってくれたら万々歳なんですが」。決めていたとおり、最後まで明るく笑顔のままだった。(隈部康弘)