(12日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 宝塚5―0明石清水) スコアボードに0が並ぶ。明石清水の中山裕太…

 (12日、第107回全国高校野球選手権兵庫大会2回戦 宝塚5―0明石清水)

 スコアボードに0が並ぶ。明石清水の中山裕太主将(3年)は、ベンチの雰囲気に「焦り」を感じていた。「笑顔!笑顔!」。声をかけ続けた。

 明石清水は走者が出ると、犠打ではなく盗塁を絡める。打者は状況をみてスイングし、「足を絡めて三塁まで走者を進めるのが攻撃のスタイル」だ。

 昨秋の県大会準々決勝では、今春の選抜大会出場の東洋大姫路と対戦。1点差で敗れたが、「俺たちの力が通用するんだ」と自信になった。毎日のように実戦練習を重ね、「イメージする相手が強豪校に変わり、一球に対する意識も変わった」。

 この日の試合も、二回と六回に得意のスタイルを試みた。一塁走者がスタートを切ると、打者は打っていった。だが、いずれも打球が野手の正面に飛び、併殺に倒れた。反撃の芽を摘まれた。

 中山主将は九回2死から内角の変化球を振り抜き、左翼線に二塁打を放った。しかし、次打者が打ち取られると、天を見上げた。「悔いはない。けど、まだ明日も練習がある気がして、負けた実感が湧かない」。思い通りにいかない、夏の怖さを知った。(原晟也)