(12日、第107回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 大阪桐蔭26―0港) 昨夏代表の大阪桐蔭が、大阪大会の初戦を5回…
(12日、第107回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 大阪桐蔭26―0港)
昨夏代表の大阪桐蔭が、大阪大会の初戦を5回コールドで制した。好機でたたみかけ、計15安打26得点。西谷浩一監督は「ここにしっかり合わせてやってくれた」と選手たちをたたえた。
二回、1死満塁でこの回2度目の打席を迎えた1番打者・宮本楽久(がく)(3年)に、ベンチの選手たちから「ホームランはいらない」と声が飛んだ。
直前に右翼へ3ランを放っていた。「欲を出してはいけない」。逆方向を意識し、鋭い当たりで左翼への適時二塁打とした。この回一挙12得点して相手を突き放した。
ともに18歳以下日本代表候補の右腕である中野大虎(だいと)(3年)、森陽樹(はるき)(同)の二枚看板を擁するチームは、打線に課題があった。
昨夏の全国選手権は小松大谷(石川)との2回戦で、打ち気にはやり、散発5安打で完封負けした。「チームが勝つためのバッティング」に立ち返る苦い経験となった。
その試合に先発して無安打だった宮本は「欲が出て外野フライというのが一番もったいない」。この日、同じ考えがベンチから次々と聞こえてきたことに「意識が全体に浸透してきた」と振り返った。
投手である主将の中野とともに、野手陣を引っ張る副主将でもある。「一つのミスで負ける。夏はそう簡単に勝てる試合は少ない」。どれだけ優勢に立っても、徹することは変わらなかった。(平田瑛美)