(12日、第107回全国高校野球選手権宮城大会1回戦) 石巻市民では第1試合の二塁審判を三浦徹さん(40)、三塁審判を…

 (12日、第107回全国高校野球選手権宮城大会1回戦)

 石巻市民では第1試合の二塁審判を三浦徹さん(40)、三塁審判を三浦大翔(ひろと)さん(19)の親子が務めた。宮城県高野連付属審判団によると、県内の硬式高校野球の公式戦で、親子が審判を務めたのは初めてだという。

 大翔さんは小学校5年生から野球を始め、徹さんが審判をする姿を近くで見てきた。その姿に憧れを強めた瞬間が昨春の第96回選抜高校野球大会だった。テレビには、塁審を務める徹さんが映っていた。

 そこから、講習や審判の実践経験などを重ね、秋には公式戦で審判デビュー。「きわどいプレーを的確に判断できたときが、一番やりがいを感じる」と語った。

 野球を見るときも「審判にしかない見方がある。カバーし合う動きやコミュニケーションに目が行く」という。

 試合を終え、徹さんからは「もっと走って、近くまで寄って判断できる」と厳しい言葉も。ただ「塁審間で連携して、カバーし合う基本的な動きはミスなくできていた」と笑顔も見せた。

 大翔さんの目標は「父のように甲子園で審判」だと聞くと、徹さんは「期待している。基本に忠実にやってほしい」と目を細めた。

 一方、第3試合では古川黎明(宮城県大崎市)3年の高橋海翔(かいと)さん(17)が三塁審判として登場した。

 高橋さんは高校野球春季宮城県大会北部地区大会でも審判の経験がある。毎日鏡の前で練習しているという判定のポーズは試合でも光った。「動作のキレとしっかり止める」ことが肝心だという。

 この日一番緊張した難しいファールの判定は先輩審判に「ナイスジャッジ!」と褒められ、春の大会からの「成長を実感した」という。

 大学進学のため、この試合を区切りに高校野球の審判はしばらくお休み。理想は「『自分もやってみたい』と思ってもらえる審判」だ。(三村悠)