(12日、第107回全国高校野球選手権長崎大会2回戦 長崎商4―1大崎) 鋭い動きで右腕を上げてアウトを宣告する。長崎県…

(12日、第107回全国高校野球選手権長崎大会2回戦 長崎商4―1大崎)

 鋭い動きで右腕を上げてアウトを宣告する。長崎県営の第2試合で二塁を担当した北木悠汰審判は、海星の3年生部員であり、県内初の高校生審判だ。この日、長崎大会では初めて審判を務め、試合後に「楽しんでできました」と振り返った。

 甲子園をめざし、広島市の中学から海星に進学した。中学時代は投手として全国大会に出場したこともある。

 だが、1年の冬に左ひざを痛めたことなどから、思うように投げられなくなった。退部しようか迷っていたときに、山崎優也コーチから「裏方として残ってくれないか」と声を掛けられ、審判の道に進んだ。

 インターネット上の動画を見たり、本を読んだり。審判講習会にも参加した。今も下宿で鏡を前に動きを確認する。

 公式戦デビューは今年の春季大会。これまでに約20試合に参加し、球審も経験した。

 「自分が見たままが正しいと、信念を持ってジャッジをしている。それが審判として一番大切なことだと思う」

 球審を務めた森山真一さん(51)も海星出身。この日の審判ぶりを「長崎大会の独特の雰囲気の中、とても落ち着いていた。200点だ」と評した。

 卒業後は就職し、審判を続けたいという。(菅野みゆき)