(12日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 山手学院5―4横浜栄) 4点差を追う横浜栄は九回、代打に渡辺唯翔…

(12日、第107回全国高校野球選手権神奈川大会2回戦 山手学院5―4横浜栄)

 4点差を追う横浜栄は九回、代打に渡辺唯翔(3年)を送った。2死一、二塁。カウントも追い込まれた。

 「自分では(試合を)決められない。後にいる、いい打者につなぐ」。甘く入った変化球を振り抜いた。適時二塁打。塁上で拳を上げて喜びを表した。

 チームメートが後に続いた。生還できた。ももを上げて、力強く本塁を踏んだ。「(点を)取ったぞ」と、感情があふれた。

 ベンチでは、スタメンに投手の情報を聞き、打席に立った場面を想定してきた。守備要員や代走としても貢献してきた。

 1回戦の伝統校・横浜商戦でも、八回2死満塁の場面で代打に入り、逆転の3点適時三塁打を放って勝利を呼び寄せた。

 この日は1点差まで詰め寄ったが、山手学院に惜敗した。仲良しのエース本多凌(3年)の代わりに打席に立った。試合後、「本多と一緒にもっと試合をして、勝ちたかった」と話し、球場を去った。(佐藤英法)