(12日、第107回全国高校野球選手権山形大会2回戦 寒河江8―4酒田西) エースで、4番で、まとめ役。酒田西の遠田稼…
(12日、第107回全国高校野球選手権山形大会2回戦 寒河江8―4酒田西)
エースで、4番で、まとめ役。酒田西の遠田稼頭人(えんたかずひと)主将(3年)は「一人三役」で、チームを引っ張ってきた。1年の夏は控え投手、昨夏は4番を任され、この夏は背番号1を背負う大黒柱となった。
寒河江戦で先発のマウンドへ。緩急を生かし、五回まで無安打無失点に抑える好投が光った。
左腕のフォームは独特だ。投げる直前に両ひざを曲げ、いったん体を沈めてから投げる。「軸を下げることで、コントロールが安定します。選抜大会で活躍した投手を参考にしました」
その持ち味を発揮したのは四回。先頭を低めの直球で中飛に、次は80㌔台のカーブで中飛に打ち取り、最後は低めの直球で見逃し三振を奪った。
六回以降は力みが出てしまい、逆転負けを喫した。だが、八回まで精いっぱい粘投した。
選手は12人。そのうち3年生は2人だけで、春の県大会は酒田東と連合を組んだ、こぢんまりしたチームだ。
それでも、この日は相手を上回る10安打を放ち、下級生が全4打点を挙げ、来夏に希望をつなぐ活躍を見せた。
「全員が主体となってプレーしていました。このチームの主将として頑張ってこれたことを、誇りに思います」と胸を張った。(渡部耕平)